エアライン, 空港 — 2022年12月23日 15:40 JST

JAL、廃棄車止めを合格お守りに 羽田神社で祈祷、“滑り止め”で受験生にエール

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 日本航空(JAL/JL、9201)は12月24日から、羽田空港で使っていた航空機の車止め「チョーク」の廃棄品を有効活用した「合格祈願御守り」の取扱いを始める。空港近くにある羽田神社(東京・大田区)との共同企画で、受験シーズンと車輪が「滑らない」ことをかけて、JALの若手社員が提案した。取扱い前日の23日に、お守りに納めるチョークを神社で祈祷(きとう)し、裁断した。

「合格祈願御守り」を手にするJALの地上係員(左)と羽田神社の神職=22年12月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
チョークは1年程度で廃棄処分に
A350をチョーク6本で支える
JALロゴ箔押しのコラボ御朱印帳

チョークは1年程度で廃棄処分に

 チョークは木製で、大きさはタテ14.5センチ、ヨコ60センチ、高さ14センチ、重さは約5キロ。ロープでつなげ、2つ1組で使用する。チョーク下部には基準線が引かれており、基準線まですり減ると交換する。JALによると半年から1年で交換し、羽田空港では2021年度に170組340本程度を廃棄したという。

 使用済みのチョークは羽田神社へ運び、「御神璽(ごしんじ)」として祈祷。その後、羽田空港内にあるJALグループのJALグランドサービス(JGS)羽田車両整備工場へ戻し、JGS社員が裁断・研磨し「御内符」に加工する。御内符としてお守りに納めるチョークは15ミリ×5ミリ程度に姿を変え、受験生を守る。

 チョークを納めたお守りは、羽田神社で24日から授与し、初穂料は1000円となる。

JAL機の車止めとして活躍するチョーク=22年12月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

羽田神社で授与するJALの使用済みチョーク(両端)を御内符に使用した「合格祈願御守り」=22年12月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

A350をチョーク6本で支える

 今回の企画は、JGS東京支店ランプサービス1部ランプサービス誘導1課の小池規之さんと、GS東京支店総務部安全品質業務グループの水谷蘭々さんが携わった。小池さんは普段、航空機のけん引に使うトーイングカーの運転を担っている。水谷さんも以前はトーイングカーに携わっていたが、現在は現場を離れているという。

 小池さんはチョークについて、JALが国内線で主力としているエアバスA350型機は重量が217トンあり、到着した機体を3セット6本で支えていると説明。これまでは焼却処分していたが「機体が滑らないことから『合格祈願』を素直に思いつき」(小池さん)SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)の観点から提案したという。

 年明けからは受験シーズンが本格化する。小池さんは「不安な気持ちを少しでも軽減したい。受験に集中し、勉強に励んで」、水谷さんは「お守りを受験生の手元に届け、合格できるように祈ってる」とそれぞれ、受験生にエールを送った。

チョークをJALのA350にセットするJGSのスタッフ=22年12月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

使用済みチョークを活用した「合格祈願御守り」を企画したJGSの小池さん(左から2人目)と水谷さん(右端)=22年12月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

JALロゴ箔押しのコラボ御朱印帳

 JALと羽田神社の共同企画では、お守りのほか御朱印帳も販売。朱塗りに碧色の屋根が特徴的な羽田神社の本殿を中心に、上空に神社から見える飛行機、裏表紙にJALロゴのモチーフでもあるツルを配した。職人の手作業で色を重ねていく手法「京友禅手捺染」を用い、文字は金糸刺繍(ししゅう)、表の飛行機と裏のツル、JALロゴは箔(はく)押しで仕上げた。

羽田神社で授与するJAL(左)とANA(中央)とのコラボ御朱印帳=22年12月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 御朱印帳は羽田神社の社務所で12月18日から授与を開始。JALの通販サイト「JALショッピング」では2023年1月6日から販売する。JALショッピングは3300円、神社では御朱印とビニールカバーを含めて3500円。

 羽田神社は、全日本空輸(ANA/NH)を中核とするANAグループとのタイアップも始めており、JALと同じく御朱印帳を取り扱っている。神社では航空ファン向けの御朱印を用意し、航空会社とのコラボ御朱印帳のみに押す。JALデザインの御朱印帳に加え、ANAは羽田神社のほか、穴守稲荷神社(東京・大田区)とのコラボ御朱印帳1種類ずつが対象となる。

 羽田地区を氏子とする羽田神社は、航空各社や航空関係者が運航・航空安全など「空の安全」を祈願。JALグループとも長年にわたり安全祈願などで交流があり、神社で開かれる節分祭や例大祭には客室乗務員やグランドスタッフ(地上係員)が参加し、祭りを手伝っているという。

*写真は15枚。

車止めのチョークを引きずるJGSのスタッフ=22年12月23日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire


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