防衛省は、陸上自衛隊の96式装輪装甲車の後継となる次期装輪装甲車(人員輸送型)として、フィンランドのパトリア製AMVを選定したと12月9日に発表した。日本企業による国内でのライセンス生産も視野に今後の協議を進める。
次期装輪装甲車の選定では当初、3車種が試験用車種として2019年9月に選定された。三菱重工業(7011)が試作車両として機動装甲車、海外勢2車種はいずれも既存車両でAMVのほか、加GDLSのLAV6.0のうち、LAV6.0は納期の2021年3月30日までに契約条件を満たす車両が納入されなかったことから、契約を解除された。
残るAMVと機動装甲車で選定を行い、第1段階評価では両車種とも必須要求事項を満たしていた。第2段階評価では、「基本性能」「後方支援・生産基盤」「経費」について100点満点の加点評価を行い、AMVの評価点が機動装甲車を上回った。
防衛省によると、基本性能はAMVが最も優れており、 後方支援・生産基盤は「全体として概ね同等の結果」となり、経費はAMVが高い評価を得たという。AMVは航空宇宙防衛関連商社のNTKインターナショナル(東京・港区)が提案した。
次期装輪装甲車は離島防衛などのほか、国際平和協力活動の車列警護などの使用も想定。整備性や合理的なコスト、国内生産が可能なこと、量産コストが安価であること、付属品の価格なども評価対象になった。
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