エアバスは現地時間12月6日(日本時間7日)、今年1年間の民間航空機の納入機数が、目標とする700機程度に届かないと発表した。最終的な年間納入機数は、約700機の納入目標を大きく下回ることはないと予測した。また、A320ファミリーの生産レートを、2023年から2024年は月産65機に引き上げる。
エアバスによると、民間機の納入が目標を下回る理由として「複雑な事業環境」を挙げ、世界的なサプライチェーンの混乱など、複数の要因が影響しているという。民間機のうち、A320系の生産レートは、コロナ前は月産60機程度だったが、今年は年間平均で同50機程度になる見通し。2023年から2024年は同65機とし、2020年代半ばには同75機に達する目標は維持する。
エアバスの納入未達に伴い、日本の航空会社にも影響が出ている。ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は、A321LRの3号機(登録記号JA903P)の受領が遅れることで、12月27日から1月13日までに運航予定だった国内3路線の計92便を欠航すると11月29日に発表した。
11月の民間機納入は68機。同月の新規受注は29機、キャンセルは14機で、受注残は7344機になった。11月末時点の年間納入機数は565機となる。
2022年通年のエアバス民間機の受注・納入実績は、2023年1月10日に開示される予定。通期業績の発表は2月16日となる見通し。
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