エアバスは現地時間11月18日、英国空軍(RAF)などと多目的空中給油・輸送機A330 MRTT「ボイジャー」で、代替航空燃料「SAF(持続可能な航空燃料)」を100%使った試験飛行を完了したと発表した。エアバスによると、現役の軍用機を用いた世界初の100%SAFによるフライトで、英国領空で実施されたあらゆる種類の航空機によるものとしても初めてだという。
A330MRTTは双発機で、SAFを両エンジンに100%使用。化石由来の既存ジェット燃料を一切使用しない試験飛行で、16日にオックスフォードシャーのブライズ・ノートン空軍基地上空を1時間30分飛行した。RAFとエアバス、英国国防省、エンジンメーカーのロールス・ロイスなどが共同で実施し、SAFは英Air BP社が供給した。
A330 MRTTは中型機A330-200を基に開発した機体。エンジンはロールス・ロイス製トレント700を採用している。
日本では、政府専用機B-777を12日に羽田からカンボジアのプノンペン国際空港へ運航した際、航空自衛隊機としてSAFを初めて混合使用した。
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Royal Air Force
A330 MRTT
Airbus
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