@Aviation_Wire
Aviation Wire
RSS
ミシュランの日本法人・日本ミシュランタイヤは、日本航空（JAL/JL、9201）が2023年度から導入するエアバスA350-1000型機の独占タイヤサプライヤーに選ばれたと11月17日に発表した。ミシュランがJALの独占タイヤサプライヤーとして契約するのは初めてで、期間は5年間となる。
JALが導入するA350-1000＝17年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
—記事の概要—
・A350-1000全機に
・7m長く主脚は6輪
A350-1000全機に
対象機材は、JALがボーイング777-300ER型機の後継として長距離国際線を中心に投入するA350-1000全機。ミシュランの航空機用ラジアルタイヤ「MICHELIN Air X（ミシュラン エア エックス）」とリトレッドタイヤが採用された。
主脚が6輪となったA350-1000＝18年2月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
羽田空港を離陸するJALのA350-900＝21年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JALは現在A350-1000を13機を発注済みで、初年度の2023年度は2機を就航させる見通し。現行の中期経営計画の最終年度となる2025年度末には9機体制を構築し、13機ある777-300ERを順次置き換える。
MICHELIN Air Xには、一般的なラジアルタイヤと、ミシュラン独自の最新技術「NZG（ニアゼログロース）テクノロジー」を採用したラジアルタイヤがあり、JALのA350-1000のタイヤはNZGテクノロジーを採用した。ミシュランによると、いずれも長寿命でタイヤ交換回数を低減し、タイヤ重量の低減による燃費向上と環境負荷の低減を実現しているという。タイヤ交換回数が減ることで、運航費用や整備時間を抑えられる。
ミシュランは全世界のラジアルタイヤを装着する民間航空機の50％以上のシェアを獲得しているという。
7m長く主脚は6輪
A350-1000は、A350 XWBファミリーで胴体が最長となる長胴型の機体。全長は73.78メートルで、標準型で66.8メートルのA350-900より6.98メートル長い。座席数はメーカー標準仕様で3クラス350-410席と、A350-900の300-350席より50-60席程度多く、航続距離は8700海里（1万6112キロ）、最大離陸重量は319トンとなる。
JALが導入するA350-1000＝17年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900の主脚＝21年11月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
システムの95％がA350-900と共通で、タイプレーティング（機種別操縦資格）も共通なため、航空会社が需要や路線のニーズに合わせて2機種を使い分けやすい。
エンジンは英ロールス・ロイス製Trent XWB-97（トレントXWB-97）で、推力は9万7000ポンド。ロールス・ロイスによると、A350-900用のTrent XWB-84（推力8万4000ポンド）と比べ、新しい高温タービン技術やより大きなエンジンコア、ファンの空力特性の組み合わせで推力を増加させたという。機体の空力改善やエンジンにより、777やA340-600と比べて燃費や1座席あたりの運航コストは25％改善している。
約7メートル長くなった胴体以外でわかりやすい違いは、メインランディングギア（主脚）がA350-1000では6輪のものに改められた。A350-900は787などと同じ4輪だが、置き換え対象である777と同じタイヤの数になっている。
関連リンク
日本ミシュランタイヤ
日本航空
Airbus
JALのA350-1000
・JALのA350-1000、初年度は2機導入 ZIPAIR向け787は納入再開懸念（22年5月7日）
・JALの次世代旗艦A350-1000、客室はどう進化するのか（21年5月9日）
・JALのA350、国際線投入は23年以降 赤坂社長「1年に4-5機導入」（19年6月3日）
・JAL植木社長「総額見て手が震えた」 次世代旗艦機A350-1000、日本初飛来（18年2月15日）
JAL最多席数はX12仕様
・コロナ後支えるJALの最多座席機 写真特集・A350-900 X12仕様
国内線用A350とCA現行制服
・国内線の新主力機 写真特集・JAL 11代目CA新制服とA350-900
現フラッグシップの777-300ER
・写真特集・JAL 11代目CA新制服と主要機材（2）777-300ER編