リージョナルジェット機世界最大手のエンブラエルは11月15日、羽田空港に日本の航空関係者を招き最新鋭機E195-E2「TechLion(テックライオン)」(登録記号PR-ZIQ)の試乗会を開いた。羽田を午後2時48分ごろ出発し、伊豆諸島付近を飛行して午後4時すぎに戻った。
E195-E2は、エンブラエルの次世代リージョナルジェット機「E2」シリーズのうち最大の機体サイズで、メーカー標準座席数は1クラス132-146席、3クラス120席。従来のE195と比較し、3列増やした。航続距離は2600海里(4815キロ)で、300海里(555.6キロ)延ばした。また、同社の旅客機では最大の大きさとなる。
エンブラエルは、E2シリーズのキャッチフレーズとして「プロフィット・ハンター」を掲げており、猛獣の顔を機首に描いてきた。TechLionはコンピューターの基板のようなライオンを機体全体にデザインしており、前回は2019年7月に羽田へ飛来した。
E2のエンジンは、三菱重工業(7011)が開発を事実上凍結している「三菱スペースジェット(旧MRJ)」と同じく、低燃費と低騒音を特徴とする米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製GTFエンジンを採用。推力の違いにより、E175-E2がPW1700G、E190-E2とE195-E2がPW1900Gを搭載する。
エンブラエルは、中国・珠海で11月8日から開かれた珠海航空ショーに、TechLionを出展。中国では、E190-E2がCAAC(中国民用航空局)から10日に型式証明(TC)を取得し、E195-E2もまもなく取得できる見通し。E2シリーズはもっとも小さい機体から順にE175-E2、E190-E2、E195-E2の3機種で構成され、E190-E2とE195-E2は商業運航を始めている。
珠海を出発後は、広州とソウル(仁川)に立ち寄り、羽田には13日に到着した。羽田で関係者向けに公開後は、ベトナムやインドなどを経由してブラジルへ戻る。
*詳報を別途掲載します。
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Embraer
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