月全体が地球の本影に入る「皆既月食」となった11月8日夜、機内から皆既月食を観賞するチャーター便イベント「皆既月食アートフライト」が成田空港で開催された。全日本空輸(ANA/NH)が成田を発着するチャーター便を運航し、参加した140人あまりは空気が澄んだ上空で天体ショーを楽しんだ。
皆既月食アートフライトには国際線仕様のボーイング767-300ER型機機(2クラス202席:ビジネス35席、エコノミー167席)を投入。NH2022便(767-300ER、登録記号JA627A)は141人(うち幼児1人)が参加し、パイロット2人、客室乗務員9人の計11人が乗務した。同便は成田空港421番駐機場(スポット)を午後6時1分に出発。名古屋や高知、新潟付近の上空など、最大高度4万1000フィート(約1万5000メートル)を飛行し、約3時間後の午後9時12分に第1ターミナル55番駐機場へ戻った。
チャーター便出発前の国内線バスゲートのほか、機内でもジャズの生演奏が披露され、参加者は天体とアートを一気に楽しんだ。また座席のヘッドレストカバーは今回のチャーター用にオリジナルデザインのものを用意し、機内食も提供した。
皆既月食の撮影時、機内では体をねじり前の座席との間に入り込む姿があった。参加者はデジタルカメラやスマートフォンなどで撮影を試みたものの、暗い皆既月食をうまく撮影できない場面も多くみられた。参加者は天体ショーを肉眼に焼き付けて楽しんだ。
今回のチャーター便は、創刊11周年を迎えたWEBメディア『ADVENTURE KING』の記念企画として運航。成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)グループのグリーンポート・エージェンシー(GPA)が事務局を務め、NAAやANAらが協力した。
今回の皆既月食は通常の「赤銅(しゃくどう)色」と呼ばれる赤黒い色のほか、肉眼では確認が難しかったものの、月食の最中に月が天王星を隠す「天王星食」も発生。文部科学省が管轄する国立研究開発法人・科学技術振興機構によると、今回のような月が惑星を隠す「惑星食」が日本で観られるのは、土星食となった安土桃山時代の1580年以来442年ぶりで、次回は322年後の2344年に観られる土星食だという。
日本以外での惑星食は、8年前の2014年10月8日にロシアで皆既月食中の天王星食が観測された。次回は84年後の2106年11月11日に、南太平洋で部分月食中の天王星食が観られる見通し。
*写真は13枚。
関連リンク
成田国際空港
グリーンポート・エージェンシー
全日本空輸
国立天文台
サイエンスポータル(科学技術振興機構)
ADVENTURE KING
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