日本航空(JAL/JL、9201)の完全子会社であるZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)は、ボーイング787-8型機の新造機(登録記号JA850J)を今年度内に初受領する。同社としては5機目の787で、これまではボーイングの製造問題などがあり、新造機の引き渡しが延期となっていた。
中長距離LCCのZIPAIRは当初、初号機(JA822J)と2号機(JA825J)をJALが運航していた初期受領機の改修、3号機と4号機を新造機とする計画だったが、ボーイングの製造問題などで変更。3号機(JA824J)と4号機(JA826J)もJALからの転籍機となり、5号機が初の新造機になる。
5号機も座席数は従来と同じ2クラス290席で、フルフラットシートを採用したビジネスクラスにあたる「ZIP Full-Flat(ジップ・フルフラット)」が18席、エコノミークラス「Standard(スタンダード)」が272席となる。
787は2020年に胴体接合部の不具合が発覚し、その後も品質問題が指摘され、FAA(米国連邦航空局)がボーイングに対して品質改善を求めていた。ボーイングは今年4月に認証計画をFAAに提出し、8月に納入を再開した(関連記事)。これにより、ZIPAIRの787も新造機の受領が始まる。
ZIPAIRは年2機ずつ増機していく計画で、2024年度には10機体制を目指す。米本土2路線目となる成田-サンノゼ線を週3往復で12月12日に開設し、2023年1月11日には週5往復に増便する。現在は成田-バンコクとソウル(仁川)、ハワイのホノルル、シンガポール、ロサンゼルスの国際線5路線を運航しており、太平洋を横断して米国本土に乗り入れた初のLCC。サンノゼ就航で6路線になる。
JALは国際線仕様の787-8を25機と787-9を22機、国内線仕様の787-8を4機の計51機の787を発注。2021年4月22日(現地時間)に51機目となる787-9(JA882J)を受領し、JAL本体の787は完納となった。ZIPAIRには今月時点で初期受領4機の787-8を転籍させており、今後の787新造機の受領はZIPAIR向けとなる。
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ZIPAIR
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機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
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写真特集・ZIPAIR 787-8の機内
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