新潟空港を拠点に2023年の就航を目指すとしている「TOKI AIR(トキエア)」の仏ATR製ATR72-600型機の初号機(登録記号F-WNUG、日本登録後はJA01QQ予定)が11月5日午後、新潟空港に到着した。また、客室乗務員などが着用する制服もお披露目した。
—記事の概要—
・着陸前にローパスも
・AOC取得が焦点
着陸前にローパスも
トキエアのATR72は1クラス72席で、アイルランドの航空機リース会社NAC(ノルディック・アビエーション・キャピタル)からリース導入。メーカーのATRは、現地時間10月10日にNACを通じてトキエアに機体を引き渡したと発表した。当初は今春に受領予定で、およそ半年遅れで受領した。
初号機はATR側のパイロットの操縦で仏トゥールーズを10月31日に出発し、ギリシャのイラクリオン国際空港、アラブ首長国連邦ドバイのアール・マクトゥーム国際空港、インドのナーグプル空港、タイのバンコク・ドンムアン国際空港を経由。最終経由地であるフィリピンのニノイ・アキノ国際空港(旧称マニラ国際空港)を現地時間5日午前7時52分に出発し、新潟には午後3時22分ごろ到着した。着陸前には滑走路を低空で通過する「ローパス」も行われた。
トキエアの長谷川政樹社長によると、今後は1週間程度で機体の登録をフランス籍から日本籍に変更して登録記号をJA01QQとし、地上での訓練から始めるという。一方、飛行訓練の開始時期は調整中としており、明確になっていない。
AOC取得が焦点
今後「航空会社」を名乗って事業を行うためには、国土交通省からAOC(航空運送事業の許可)を取得する必要があり、安全性や持続的な運航が可能かを規定や訓練体制などを基に審査される。当初トキエアは国交省の東京航空局(TCAB)に対し、7月下旬にも申請する計画だったが、現時点で今月以降になる見通し。
就航は今年秋ごろを目指していたが、現時点では2023年3月下旬以降を予定。5日は明確な時期の言及はなかった。計画路線は、新潟-札幌(丘珠)、仙台、中部、神戸の4路線で、最初の就航地は丘珠、2023年10月以降に仙台、12月以降に中部や神戸への就航を計画している。また、首都圏では成田への就航を目指す意向を示している。
また、客室前方を貨物室に変更できるオプション「カーゴフレックス(Cargo Flex)」を初採用する2号機は、受領時期を調整中。ATR72-600の場合、44席と1400kgの追加貨物を搭載できる。
機体が到着し、今後はAOC取得に向けて運航体制の安全性を国交省に証明することや、定期便の運航継続に十分な人数のパイロットや整備士などを確保することが課題になる。
*写真は19枚。
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TOKI AIR
TOKI Aviation Capital
Avions De Transport Regional (ATR)
Nordic Aviation Capital
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