九州の地域航空会社3社と全日本空輸(ANA/NH)、日本航空(JAL/JL、9201)の5社が出資する「地域航空サービスアライアンス有限責任事業組合(EAS LLP)」は冬ダイヤ初日の10月30日、大手2社の系列を超えたコードシェア(共同運航)を始めた。経営環境が厳しい離島路線を抱える天草エアライン(AHX/MZ)とオリエンタルエアブリッジ(ORC/OC)、日本エアコミューター(JAC/JC)の九州3社が存続出来るよう、5社で新たな旅行需要の開拓を目指す。
EAS LLPは、九州3社と大手2社の5社で構成され、2019年10月25日設立。今回の取り組みでは、ANAが天草エアとJAC運航便の座席を、JALがORC便をそれぞれ販売可能にした。九州3社は既存のコードシェアなどの提携に加え、今回の取り組みで利用拡大につなげる。
九州3社のうち、JACはJALが60%出資するグループ会社で、2020年10月25日からJAL便名で運航。天草エアはJALやJACと提携関係にあり、2015年4月1日からJALとコードシェアを実施している。ORCにはANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が3.6%出資し、2009年からANAとコードシェアを行っている。
初日の30日は、5社が乗り入れる福岡空港で出発式典を開催。天草エアが運航する福岡午前8時15分発(定刻)の天草行きAMX102便/ANA4302便、ORCが運航する午前9時15分発(同)の福江行きORC097便/JAL4097便、JACが運航する午後0時25分発(同)の屋久島行きJAL3673便/ANA4377便を対象に実施し、運航便とコードシェア便の航空会社の客室乗務員が乗客を見送った。
コードシェアの対象路線は、ANAと天草エアが2路線8便で天草-熊本線と福岡線。ANAとJACは鹿児島発着が種子島、屋久島、奄美大島、徳之島、喜界島、与論、沖永良部の7路線、奄美大島発着が喜界島、徳之島、与論の3路線、那覇発着が沖永良部、奄美大島の2路線、福岡-屋久島線、徳之島-沖永良部線で計14路線44便、JALとORCは長崎発着が壱岐、五島福江、対馬の3路線、福岡発着が対馬、五島福江の2路線で計5路線22便となる。
EAS LLPは経営環境が厳しい地域航空会社が存続できるよう、ANAとJALの系列の垣根を越えた取り組みを進めている。
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関連リンク
天草エアライン
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EAS LLP
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