フィンエアー(FIN)は9月24日、都内でペッカ・ヴァウラモCEO(最高経営責任者)の就任会見を開いた。
6月1日付で就任したヴァウラモCEOは、日本市場について「フィンランド本国に次ぐ2番目の規模。日本からヘルシンキへ向かう便の乗客のうち、70%が日本から搭乗している」と説明。市場規模に加えて、成田就航から30周年を迎えたことから「日本はFINにとって第2の祖国」と表現し、重要市場であることを強調した。
現在、ヘルシンキ-成田、中部、関西を週28往復で結んでいるFINは、日本から直行便がない欧州各都市へ、ヘルシンキから乗り継ぐ利用客が多い。ヴァウラモCEOは、「日本から搭乗した85%がヘルシンキで乗り継いでおり、残り15%が最終目的地としている」と述べた。日本路線のロードファクター(座席利用率)は、「80%台後半。満足している」(ヴァウラモCEO)と語った。
FINはアジアでは日本や中国などの13都市へ就航済み。2020年までにアジアでの収益を2倍に増やす計画を進めており、中国などで新たな就航地開設を目指す。日本については、就航済みの東京と名古屋、大阪以外については、「新しい就航都市は精査して決定していきたい」と述べるにとどめた。
また、国土交通省が14年春に続き、20年の東京五輪開催に合わせて、新たな発着枠配分の検討を進めるとしている羽田についても、「大変興味持っているが、現段階では白紙だ」とした。
日本航空(JAL、9201)が、ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW)との日本-欧州路線での共同事業(JV)にFINを加えるため、国交省へ7月に申請した独占禁止法の適用除外(ATI)については、現時点では申請中と述べた。
機材面では、燃料消費を改善する翼端のシャークレットを装備したエアバスA321型機を、9月から世界で初めて運航開始。国際線用機材では、14年秋にビジネスクラスへのフルフラットシート導入を完了させる。また、11機発注済みのエアバスの最新鋭機、A350-900は従来の発表通り15年後半から受領する見通し。
FINは会見に先立ち、昨日都内で取締役会を開催。日本市場での成長が見込めることに加え、ヴァウラモCEOは都内で開催した理由について「アベノミクスにより、経済が上向いたことを目の当たりにして分析したいと考えた。欧州路線の活性化に役立つ」と語った。
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