日本航空(JAL/JL、9201)は10月19日、100%子会社のジャルセールスを2024年4月に吸収合併すると取締役会で決議した。コロナの影響で変化した航空需要の構造や消費者行動に対応するため、従来からの航空券販売だけでなく2020年11月に立ち上げた地域事業などと組み合わせたソリューション営業へ移行する。
19日に開かれたJALの取締役会で基本方針が承認され、2023年10月に契約締結を予定で、合併日は2024年4月1日となる見通し。1993年設立のジャルセールスは、JALグループの航空券販売を担っており、JAL本体を存続会社として吸収合併後は解散する。
JALは、2020年11月1日付で地域活性化を進める新たな部署「地域事業本部」を立ち上げ、当時コロナ影響で余剰となっていた客室乗務員約1000人を活用して、地方への観光需要喚起に向けた取り組みなどを強化。客室乗務員が出身地など全国各地に移住し、地域の魅力を発信する2020年8月開始の「ふるさとアンバサダー」や、客室乗務員が観光資源の発掘などに取り組む「ふるさと応援隊」などの取り組みを地域事業本部が中核となって進めてきた。
ジャルセールスを本体に吸収することで一体的な営業体制を構築し、航空券販売を中心とする航空事業にグループの収益が偏ることなく、非航空系事業の収入を高めて収益源を分散することで、新型コロナのような感染症などで航空需要が一時的に激減する将来的なリスクに備える狙いがある。
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