エアライン, ボーイング, 機体 — 2022年10月9日 22:26 JST

ルフトハンザ、787-9が初訓練飛行 元は他社向け発注機

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 ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)は、ボーイング787-9型機の初号機(登録記号D-ABPA)の訓練飛行を現地時間10月8日と9日の2日間実施している。当初は別の航空会社がボーイングに発注した機体を、最終的にルフトハンザが購入した。

ルフトハンザの787-9初号機(同社提供)

 ルフトハンザの787初号機は8月29日に引き渡され、米ワシントン州シアトル近郊のエバレットを同日午後4時28分ごろ離陸し、フランクフルトには30日午前11時2分ごろ着陸した。10月8日から訓練飛行が始まり、航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24(Flightradar24)」によると、ルフトハンザとしての初飛行は8日のフランクフルト発ライプツィヒ行きLH9871便となり、午前7時32分ごろ離陸して午前8時11分ごろ着陸した。

 到着後はライプツィヒ発着で1時間52分ほど飛行。その後はライプツィヒ発着で約15分飛行し、ライプツィヒとドレスデンを1往復、ライプツィヒからハノーバー、ハノーバーからフランクフルト、フランクフルトからライプツィヒ、ライプツィヒとドレスデンを再び1往復、ライプツィヒからハノーバー、ハノーバーからフランクフルトと飛行した。1区間あたりの飛行時間は20分から40分未満と短いフライトを繰り返した。

 9日はフランクフルトからハノーバーへ向かい、ハノーバーからドレスデン、ドレスデンからライプツィヒ、ライプツィヒからハノーバー、ハノーバー発着で1時間46分フライトと訓練を続けている。日本時間9日午後9時はドイツでは同日午後2時で、計画ではハノーバーからフランクフルト、フランクフルトからライプツィヒ、ライプツィヒからドレスデン、ドレスデンからハノーバーとフライトし、ハノーバーからフランクフルトに午後8時台(日本時間10日午前3時)に戻る見通し。

ルフトハンザの787-9初号機による初飛行となった訓練飛行のフランクフルト発ライプツィヒ行きLH9871便(Flightradar24から)

 D-ABPAはシリアルナンバー(MSN)62730、ラインナンバー(LN)905で、当初は海南航空(CHH/HU)向けに製造が開始されたものの、同社が経営破綻。その後インドの新興航空会社ビスタラ(VSS/UK)が受領する意向を示したが機材計画を見直し、最終的にルフトハンザが2021年5月に購入した。海南航空は創設者が2018年に事故死後、経営悪化が加速し、コロナの影響がとどめとなり破綻したが、運航は現在も継続しており、787-9も稼働している。

 座席数は3クラス294席で、ビジネス26席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー247席。エンジンはGE製GEnx-1Bを搭載している。

 ルフトハンザ・グループは787-9を32機を確定発注済み。ドイツ国内での慣熟後、国際線へ投入する計画で、8月の発表ではトロント行きが国際線初便となる見通し。

関連リンク
Lufthansa Group
Flightradar24

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