単行本『ANA 苦闘の1000日』(著者:高尾泰朗、出版社:日経BP社)が9月22日発売。1980円(税込)。
「2020年春。空港では見たことのない景色が広がっていた。
乗客が行き交う姿も、搭乗手続きに並ぶ人たちの列もなかった。
コロナで乗客が9割以上も減ってしまった「青い翼」ことANAが生き残りをかけた1000日の全記録。
新型コロナウイルスによる未曽有のパンデミックは、航空会社の経営を大きく揺るがした。中でも、インバウンド需要の拡大と歩調を合わせるように人や機材を増やして事業規模を拡大してきたANAホールディングス(HD)への影響は大きかった。
経済誌『日経ビジネス』の記者としてANAHDを長期的に取材してきた筆者が羽田空港や成田空港、本社のある東京・汐留などで見たのは、経営陣から現場の社員までが、初めての経験に戸惑い、どうすべきか思い悩み、難局に立ち向かおうとする姿だった。それは、普段のANAがイメージさせるスマートさとはずいぶん違っていた。
ANAHDはどのように難局を切り抜け、光を見いだしつつあるのか。あのとき、経営者や社員たちは何を思い、何をしたのか。そして今、どんな課題に直面しているのか。企業が危機に陥ったときにどう動くべきかのヒントが詰まった”苦闘の1000日”の全記録。変化の時代に奮闘するあらゆるビジネスパーソンの道しるべになる1冊」
【本書の内容】
第1章 異変
誰もいない空港/武漢支店のSOS/タイムリミットは4時間後/邦人帰国ミッション/迫り来る疫病
第2章 奔走
なりふり構わぬ金策/初めての「減便」/羽田に降り立ったプロペラ機/「一時帰休」に戸惑う/生命をつなぐために
第3章 覚悟
希望が絶望に変わるとき/身をかがめる覚悟/整備士が「何でも屋」で奮闘/8年前の仕返し/交錯する思惑
第4章 挑戦
機材切り売り大作戦/畑違いの外部に「出向」/「地方移住」した客室乗務員/ヒトを運べないならモノを/「空飛ぶウミガメ」を飛ばせ/「機内食通販」人気の裏側/「乗り放題」に「旅くじ」/生き残りから成長へ
第5章 萌芽
ピーチとの相乗効果、理想型は/LCCとFSCのいいとこ取り/マイルで生活できる世界/ANA流「スーパーアプリ」の勝算/ドローンがモノを運ぶ日/「仮想旅行」の未来
第6章 模索
背負った十字架/国際線復活への道/需要の平準化どこまで/脱炭素と向き合う/労働集約型からの脱却
関連リンク
日経ビジネス
雑誌
・「F-22ラプター25周年」航空ファン 22年11月号
・「救急医療用ヘリコプター」航空情報 22年11月号
・「ニッポンのエアライン」月刊エアライン 22年10月号
・「超・面接入門」月刊エアステージ 22年10月号
・「JAL〜世界の旅人を魅了し続ける最高峰のエアラインサービス」航空旅行 vol.42
書籍
・『増補改訂版 無敵のグローバル資産「航空機投資」完全ガイド』
・ルーク・オザワ『航空の世界 1973-2000』
・浜田一穂『ジェット旅客機進化論』
・『航空・空港政策の展望─アフターコロナを見据えて』
・中村洋明『新・航空機産業のすべて』
・鳥海高太朗『コロナ後のエアライン』
・大宅邦子『選んだ道が一番いい道』
・金子寛人『JALの現場力』