航空自衛隊小松基地は、2019年以来3年ぶりに航空祭を開催した。入場者を事前に申し込んだ人に限定するなどの感染対策を講じ、防衛省が今年度から各地の航空祭で試験的に行っている有料観覧席制度も導入して開かれ、多くの人でにぎわった。
小松は自衛隊と航空会社の共用空港。19日に開かれた航空祭では基地所属のF-15J戦闘機やアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が飛行展示を披露したほか、航空会社の出発便が離陸する際には、各社の地上係員がアナウンスを担当した。
日本航空(JAL/JL、9201)の羽田行きが出発する際は、JALスカイ金沢の地上係員、天野さんが「羽田まで約50分で到着します」と距離の近さをPRしていた。同社はJALの100%子会社で、小松を発着するJALグループ便などのハンドリング業務を担っている。
JALスカイ金沢は小松航空祭に初めて出店。基地の格納庫で、小松空港のオリジナルグッズを販売した。グッズは昨年10月から全日本空輸(ANA/NH)便を受託している北鉄航空と共同で販売しているもので、空港の新たな土産物としてターミナルでもTシャツやステッカー、バッグ、非食用米を使ったバイオマススプーンなどを販売している。
JAL小松空港所の所長で、JALスカイ金沢の社長を兼務する衛藤靖さんは「社員が率先して商品を考えてくれました」と話す。ステッカーなどをデザインしたのは、出発便のアナウンスを担当した天野さん。地元・石川県の伝統工芸「加賀水引」をモチーフにしたステッカーや、空港の滑走路をイメージしたバッグなどをデザインした。進学する際、地上係員とデザインの仕事で悩んだという天野さんは、「業務で使っているiPadで手書きしたものがベースなんです」と笑顔を見せた。
天野さんによると、コロナ前の航空祭は人数制限もなかったため、航空ファンだけではなく、地元の人が気軽に出掛けるイベントだったという。「普段はお客さまとゆっくりお話しする機会がなかなかないので、趣味のお話なども聞けて楽しかったです」と話していた。
小松空港は、旧日本海軍の小松飛行場として1944年11月に整備され、1961年12月20日に自衛隊と民間航空の共用空港として開港し、昨年60周年を迎えた。管制は空自が担当し、国内線はJALとANA、日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)、オリエンタルエアブリッジ(ORC/OC)が乗り入れており、全便運休中の国際線は大韓航空(KAL/KE)のソウル線、中国東方航空(CES/MU)の上海線、エバー航空(EVA/BR)とタイガーエア台湾(TTW/IT)の台北線が設定されている。
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