厚生労働省は8月15日、海外から日本へ帰国時に必要となる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査証明書(陰性証明)の運用を見直した。渡航先を出国前72時間以内に検体採取したものであれば、日本を出国前に国内で取得した証明書も有効なものとして扱うよう改めた。
これまでは1泊2日の旅行など日本を出国して72時間以内に帰国する場合でも、渡航先の国でPCR検査など厚労省が認める検査を受け、証明書を現地で取得する必要があった。すでに海外では陰性証明書を必要としない国が多数となり、現地で検査施設が容易に見つからなかったり、見つかっても高額なケースや、国内のように短時間で検査結果が出ないなど、短期で海外へ出張したり、旅行する上で現地での検査が障害となっていた。
国内で取得した検査証明書が有効になったことで、予め証明書を取得して出国できるようになり、週末にアジア諸国やハワイへ1泊程度の弾丸渡航がしやすくなった。
厚労省は15日付の文書「検査証明書について(Q&A)」の「10-2」で検査証明書の運用見直しを示している。また、同省ウェブサイトの「【水際対策】よくある質問」の「②-3」でも示しているが、同省の「報道発表資料」としては発信していない。
今回の改訂に対し、河野太郎デジタル相は15日、自身のツイッターで「これが有効ならば、そもそも帰国時の検査は不要ではないか」と疑問を投げかけた。岸田文雄首相も、他のG7(先進7カ国)諸国並みに入国制限を緩和する方向性を10日に示しており、国内外から有効性が疑問視されている水際対策の見直しが進む可能性が出てきた。
関連リンク
検査証明書について(Q&A)(PDF/厚生労働省)
【水際対策】よくある質問(厚生労働省)
厚生労働省
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