ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のANAウイングス(AKX/EH)は8月9日、同社の女性客室乗務員1人が乗務前日に規定を超える飲酒をして乗務できず、国土交通省航空局(JCAB)から厳重注意を受けたと発表した。客室乗務員は7月29日の岩国発羽田行きNH632便(ボーイング737-800型機、登録記号JA69AN、乗客75人)に乗務予定だった。本来は同便に4人の客室乗務員が乗務する予定だったが、乗客が少なかったことで規定に定められた最少人数の3人で運航した。
飲酒した客室乗務員は、29日のNH632便に乗務予定だった4人のうち、20代の女性3人。客室乗務員AとBは、会社の運航規程で定められた乗務開始12時間前を超えて飲酒し、規定を超える量を飲んでいた。客室乗務員Aは、乗務前に3回行われたアルコール検査でアルコールが検出され、前夜に飲酒したことを報告しなかったことから、会社が当該便の乗務を認めなかった。
客室乗務員BとCからは、乗務前のアルコール検査でアルコールは検出されなかったが、客室乗務員Aからアルコールが検出されたことを知りながら、前夜の飲酒を会社に報告しなかった。
NH632便に投入された737-800の座席数は2クラス166席で、通常は4人の客室乗務員が乗務。商業運航便に乗務する客室乗務員の人数は、50席に1人以上など法律や規定で定められており、今回は乗客数が74人と座席を使用しない幼児1人の計75人だったことから、規定に基づく最少人数の3人で乗務した。
29日のNH632便は岩国を午前7時46分(定刻同35分)に出発し、羽田には午前9時23分(同10分)に到着。客室乗務員の人数変更による遅れはなかったが、航空路混雑などによる管制官の指示で11分の遅延となった。
ANAウイングスは、8月31日までに再発防止策をまとめ、JCABに報告する。
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