リージョナルジェット機「MRJ」を開発する三菱航空機は9月7日、機体を製造する三菱重工業(7011)の名古屋航空宇宙システム製作所(名航) 飛島工場で、製造中の胴体や主翼を報道関係者に初めて公開した。
公開された胴体は5機製造される飛行試験機の初号機のもの。組み立てが完成したコックピットと中胴前部、中胴後部、後胴前部の4点と、工作試験に用いる主翼が展示された。組み立てを終えた胴体が公開されるのは、今回が初めて。
三菱航空機の川井昭陽社長は、「こんなに大きな飛行機は三菱重工としても初めてなので、ものになってきたのは心強いし、うれしい。今からぎ装や結合を行い、本当の意味で飛行機にしていくので、早く飛ばしたい」と感想を語った。
8月22日に発表した新スケジュールでは、初飛行が2015年4-6月期、初号機の引き渡しは17年4-6月期を予定。「絶対守るぞ、というスケジュールを申し上げたつもり。できれば予定よりも早くやっていきたい」と、計画の前倒しに向けた意気込みを述べた。
今回公開された以外の後胴後部や水平尾翼、垂直尾翼、初号機用主翼は組み立て中。完成した胴体や翼は、三菱重工の小牧工場へ順次運ばれ、10月から最終組立を開始する。米プラット・アンド・ホイットニー製エンジン「PurePower PW1200G」の取り付けは、14年春を予定している。
現在の受注数は325機で、内訳は確定165機、オプション160機。国内では、ANAホールディングス(9202)がローンチカスタマーとしてオプション10機を含む25機を発注している。
胴体の公開とともに、エコノミークラスに米ゾディアック・シート・カリフォルニア製の新シートを設置したモックアップも展示された。(新シートの記事はこちら)
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