米空軍は現地時間7月28日(日本時間29日)、戦闘機F-15「イーグル」の初飛行50周年記念式典をオハイオ州ライトパターソン基地で開催した。
F-15はマクドネル・ダグラス(現ボーイング)が開発した双発の戦闘機で、1972年6月26日に同社のセントルイス工場でロールアウトし、同年7月27日に初飛行。エンジンはプラット&ホイットニー製F-100を2基搭載し、レーダーはヒューズ(現レイセオン)のAPG-63が採用された。事故などによる墜落はあるものの、実戦では一度も撃墜されていない。
量産機は単座型のF-15Aと訓練用の複座型F-15Bが製造された後、改良を加えたF-15C(単座)とF-15D(複座)が開発され、日本の航空自衛隊はF-15C/DをベースとするF-15J/DJを採用した。
その後、複座型をベースに戦闘爆撃機としたF-15E「ストライクイーグル」が1986年12月11日に初飛行。1988年に運用が開始され、F-111を置き換えた。
F-15は日本のほか、イスラエルやサウジアラビア、韓国、シンガポール、カタールでも採用され、輸出型が製造された。
2021年2月2日には、F-15C/Dの後継で米国専用の最新型F-15EXが初飛行。初号機は3月10日に引き渡され、4月7日に「イーグルII」と命名された。複座型のみだがパイロット1人でも運用でき、フライ・バイ・ワイヤ方式の飛行制御や新たな電子戦システム、最新のデジタルコックピットやミッションコンピューターなどを採用している。2020年4月に初飛行したカタール空軍向けF-15QAがもっとも近い機体となる。
ボーイングによると、F-15は世界中で1500機以上が就役。米空軍によると、28日の式典以外にも初飛行50周年を祝うイベントが各地で計画されているという。
関連リンク
F-15 50th anniversary ceremony(Facebook)
U.S. Air Force
F-15EX(Boeing)
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