エアバスは現地時間7月26日、輸送機A400Mの取り外し可能な消火キットの試験に成功したと発表した。山火事などの火災発生時に低空飛行しながら放水して消火するもので、既存機に未改修で装着できる。
今回の試験は、最低動作高度150フィート(約45.7メートル)、飛行速度125ノット(時速231.5キロ)で、最大20トンの水を10秒以内に投下する条件で、昼間に行われた。プロトタイプの開発と試験は、スペイン空軍、欧州消防当局、スペインのエコロジー移行・人口問題省(MITECO)が協力して進めている。
機体の改修は不要で、水は貨物室の固定タンクに貯蔵。放水が始まると、ランプの端にある2つのセクションから水が放出される構造になっている。エアバスは今後、キットの製品版開発や夜間運用の分析などを進めるという。
A400Mはターボプロップエンジン4基で飛行する輸送機。初号機(MSN7)は2013年8月1日にフランス空軍へ引き渡された。最大ペイロードは37トン、巡航速度は最大マッハ0.72、最大高度は3万7000フィート。2021年5月に100機目がスペイン空軍に引き渡された。
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