朝日航洋は7月7日、ビジネスジェットなど小型航空機航空運送業界では国内初となるiPadを使ったEFB(エレクトロニック・フライト・バッグ=電子運航マニュアル)の本格運用を始めたと発表した。これまで約10冊、重さ10キロほどあった紙の航路図やマニュアル類を約300グラムのiPadに収められるようになった。
iPadやコックピットの画面などを使ったEFBは、航空会社で採用が増えている。朝日航洋によると、EFBは国土交通省航空局(JCAB)に安全性を証明する必要があり、ビジネスジェットなど小型機を運航する会社ではこれまで承認を取得した会社がなかったという。
EFBは紙の使用を削減するほか、マニュアルの内容が更新された際に行う差替作業のミスを防止したり、パイロット全員の更新状況を管理できるなどのメリットもある。また、iPadの画面輝度を調整することで、コックピットの明るさに左右されずに高い視認性や可読性を確保できる。
朝日航洋は2020年10月からEFBの導入プロジェクトをスタートさせ、今年3月にJCABの承認を取得。試行期間を経て、6月1日から本格運用を始めた。同時期に、すべての飛行計画(フライトプラン)を一気通貫で作成・管理できるディスパッチャー(運航管理者)向けソフトウェアの運用も開始したという。
EFBとディスパッチャー向けシステムのアプリケーションは、ボーイングの子会社ForeFlightのナビゲーションアプリ「ForeFlight Mobile」。極東では初導入だといい、EFB用が「ForeFlight Mobile EFB」、ディスパッチャー向けが「ForeFlight Dispatch」となる。
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