エアライン — 2022年7月6日 08:55 JST

スカンジナビア航空、米連邦破産法11条申請 運航継続もスト影響

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 スカンジナビア航空(SAS/SK)は、日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条(Chapter 11)の適用を現地時間7月5日に申請した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によるもので、5日の発表によると運航は継続する。チャプター11の手続きには9カ月から1年ほどかかる見通し。

米連邦破産法11条を申請したスカンジナビア航空=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 SASは「チャプター11は米国連邦裁判所の監督下で行われる法的手続きで、米国外に拠点を置く多くの主要航空会社がコスト削減と財務リストラに成功している」とし、同社が進めている事業再生計画「SAS FORWARD」の一環として立て直しを図る。また、「米国のチャプター11は世界の他地域における破産や管財手続きとは異なり、清算や破産手続きではない」と強調した。

 運航や顧客サービスには影響がないとし、従業員への給与の支払いや福利厚生、ベンダーやサプライヤーに対する支払いも通常通りに行われるとしている。一方、パイロットとの賃金交渉がまとまらず、4日からパイロットによるストライキが始まったことで、遅延や欠航が一部の便で生じている。

 6月30日時点での現預金は78億クローネ(約1005億円)で、追加融資に向けた協議を進めているという。

 新型コロナの影響で、海外では航空会社の破産申請が相次いでいる。2020年はヴァージン・オーストラリア(VOZ/VA)を傘下に持つヴァージン・オーストラリア・ホールディングス、タイ国際航空(THA/TG)、コロンビアのアビアンカ航空(AVA/AV)を傘下に持つアビアンカ・ホールディングス、チリのラタム航空(LAN/LA)を傘下に持つラタム航空グループ、2021年にフィリピン航空(PAL/PR)が破産申請し、再建を進めている。

 日本では、コロナ前から業績不振だったエアアジア・ジャパンが破産手続きを行った。

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