海外の若者が日本語で意見交換を行う「日本語サミット」(主催:特定非営利活動法人ジャパン・リターン・プログラム、日本経済新聞社)の一環として8月29日、全日本空輸(ANA)の訓練センターを8カ国8人の若者が訪れ、接客サービスなどを学んだ。
今年で15回目を向かえた日本語サミットは、1999年から2012年までに61カ国のべ233人の海外の若者が参加。ANAやトヨタ自動車(7203)など6社での企業研修や被災地を訪問した後、9月7日にパネルディスカッションを行う。
ANAの訓練センターでは、ビジネスクラスのシートが配されたモックアップが講義の場となった。参加者たちは着席すると、1席あたりの広さに驚いていた。
講師は日頃訓練センターで客室乗務員(CA)を教えているANAのインストラクターが担当。笑顔や身だしなみ、親しみやすさなどCAに求められる要素を伝えた。また、CA同士のコミュニケーションを円滑にすることや異文化理解が、より顧客満足につながることを示した。
講義は日本と海外の文化の違いなどを織り交ぜながら進められた。インストラクターは日本人の乗客への接し方として、明確な表現を避ける傾向にあるため、様子から察して行動することが重要だと説明すると、参加者は驚いた様子だった。
参加者から「一番ANAらしいサービスは」と質問されると、インストラクターは「清潔感と、常に何かできないかを考えること」を挙げていた。
大学時代の友人にCAがいるというドイツからの留学生で、早稲田大学の大学院で国際関係を学び外交官を目指しているローザ・アマンさんは、仮眠用ベッドの大きさをインストラクターに尋ねるなど、日本のサービスに加えてCAの仕事環境にも興味深げだった。
アマンさんは「乗客の気持ちを察し、先回りしてサービスしていることに感動しました」と講義を受けた感想を話した。
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