羽田空港の制限区域内を2階建てバスで走るはとバスの「羽田空港ベストビュードライブ」の運行が6月25日から始まった。はとバスが羽田の制限区域内を走行するのは初めてで、空港内を約1時間10分走り、うち約10分は滑走路付近に停車する。
—記事の概要—
・2階建てバスで制限区域ツアー
・押しボタン信号でA滑走路端へ
2階建てバスで制限区域ツアー
2階建てバスは「オープントップバス」と屋根付きバスがあり、オープントップバスで走る場合は、停車中に幌(ほろ)を開放し、飛行機を間近で見ることができる。オープントップか屋根付きかは天候や気温などで決まる。
はとバスによると、制限区域内でバスを走らせるため、空港内専用ナンバープレートを取得したり、保安検査の体制構築、運転士の制限区域内の運転許可取得など、約半年かけて準備したという。空港のナンバーを取得したバスはオープントップと屋根付きの2階建てが2台ずつ4台、一般の観光バスが3台の計7台で、同乗するバスガイドは約10人で、羽田空港だけでなく航空会社や機体の特徴などを勉強して運行開始を迎えたという。
運行日は6月25日から毎週土曜と日曜、祝日で、1日3便設定。京橋エドグランを午前9時、午前11時30分、午後2時30分に出発し、羽田空港の羽田エクセル東急ホテルでバスを乗り換え、保安検査を受けて2階建てバスで制限区域内を走行する。その後はホテルに戻って食事をとってバスを乗り換え、京橋エドグランには午後1時10分、午後3時40分、午後6時40分に戻る。乗車定員は30人。料金は1人1万3000円で、大人と子供同額となる。
はとバスによると、24日時点で予約を受け付けている7月3日までの4日間の予約は237人で、初日の25日分は即日完売だったという。運行日の2週間前の午前10時から予約を受け付けている。
押しボタン信号でA滑走路端へ
運行開始前日の24日には、報道関係者に公開。第2ターミナルの73番スポット付近から制限区域に入り、第2ターミナル北側にあるサテライトの手前で左折し、橋を渡って第1ターミナル側に入り、32番スポット前を左折して国土交通省の東京航空局東京空港事務所前を通り、第1ターミナルの24番から1番スポット前を通過して再び第2ターミナル側へ向かい、トンネルを通って701番スポット前の旧消防東庁舎前へ。
その後は新整備場側の橋を渡って日本航空(JAL/JL、9201)のM1、M2格納庫、スカイマーク(SKY/BC)の格納庫、全日本空輸(ANA/NH)の格納庫の前を通り、エンジンの試運転などを行う700番台のスポット前にあるエンジンランナップエリアを通過し、A滑走路下を通って第3ターミナル側へ向かう「際内トンネル」を走行する。第3ターミナルの110番スポット付近で折り返し、今度はA滑走路海側RWY34Lのエンドを走る。エンドに入る際は押しボタン式の信号を通過し、かつて消火演習で使っていた飛行機型の消火の的などを見ながら、再びC滑走路側を通って第2ターミナルの73番スポット付近から一般道へ戻った。
制限区域から羽田エクセルホテル東急へ戻ると、「フライヤーズテーブル」で食事。チキングリルをメインとしたオリジナルメニューで、ポタージュには飛行機をかたどったクルトンが添えられており、バナナムースのアイス添えにも小さな飛行機のサブレが付いている。
コロナ後に国内では、福岡空港や成田空港で制限区域内のバスツアーが開催されている。はとバスでは首都東京の玄関口である羽田空港の制限区域ツアーを開催することで、コロナの影響で低迷する観光需要の喚起など、新たな東京観光の魅力を発信していきたいという。
*写真は20枚。
関連リンク
羽田空港ベストビュードライブ(はとバス)
はとバス
羽田空港
成田空港バスツアー
・成田空港、制限エリア巡るバスツアー JALビジネス機内食再現の夕食も(22年6月7日)
・成田空港、制限区域バスツアー再開 小雨の夜景、JAL系レストランでのディナーも(21年10月22日)
福岡空港バスツアー
・滑走路端やPBB下走り迫力満点 写真特集・福岡空港 屋根なしバスツアー(21年10月9日)
・福岡空港、滑走路間近で離着陸体感バスツアー(21年10月5日)
動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・【4K】屋根なしバスで福岡空港の制限区域ツアー【iPhone 13 Pro】