豪州のジェットスター航空(JST/JQ)とジェットスター・ジャパン(JJP/GK)は現地時間6月23日、独ハンブルクにあるエアバスの最終組立工場で受領予定の新機材A321LRを報道関係者に公開した。ジェットスター航空の機体は初号機(登録記号VH-OFE)、ジェットスター・ジャパンは3号機(JA28LR)で、いずれも6月3日にジェットスター・ジャパンが受領した初号機(JA26LR)と同様、新デザインの塗装が施されている。ジェットスター・ジャパンがA321LRの機内を公開したのは初めて。
A321LRは、新型エンジンで燃費を向上させたA321neoの航続距離延長型で、LR(Long Range)は「長距離」を意味する。機体外観のほか、内装では独レカロ製シート、シートピッチは両社とも共通で従来とほぼ同様の28インチ(71.12センチ)から39インチとし、各席に充電用USB端子を設けている。
一方で、ジェットスター航空の機体は、4種類の大きさが設定されているオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)のうち、最大サイズを選択。同社によると、乗客1人当たり1つの手荷物を機内に持ち込むことを想定したためだという。
最大サイズのオーバーヘッドビンは、ジェットスター・ジャパンが採用する通常サイズに比べると、通路中央部への張り出しがやや大きい。また、オーバーヘッドビンから床面(座面)までの高さもわずかに低いという。
座席数はジェットスター航空が1クラス232席、ジェットスター・ジャパンが同238席と異なる。ジェットスター・ジャパンは飛行時間が短いため、搭載する機内食やドリンク類の量が少ないため、搭載品のスペースを座席用として使い座席数を6席増やしたが、前方ギャレー(厨房設備)は共通の仕様となる。
ジェットスター航空は、8月にA321LRを初受領する見通し。全18機のうち8機が2023年5月までに引き渡され、2024年半ばまでにすべて揃う見通し。
既存のA320やA321と比べ、A321LRは航続距離が1200キロ延び、当初はメルボルン-ケアンズ線、ゴールドコースト線など豪州国内線に投入する。国際線の旅客需要回復後は、国際線への投入も視野に入れている。また、2024年からは航続距離がさらに長いA321XLRの受領を始める。
一方、ジェットスター・ジャパンは7月1日にA321LRを就航させる計画で、前日6月30日には成田発着の周遊チャーターを実施する。同社は全3機導入予定で、2号機は年内、3号機は2023年以降の受領を予定している。
*写真は11枚(ジェットスター・ジャパン→ジェットスター航空の順)。
ジェットスター・ジャパン 3号機
ジェットスター航空 初号機
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