豪州のジェットスター航空(JST/JQ)は、A321neoの航続距離延長型「A321LR」の受領を8月から開始する。全18機のうち8機が2023年5月までに引き渡され、2024年半ばまでにすべて揃う見通し。2024年からは航続距離がさらに長いA321XLRの受領を始める。
同社を中核とするジェットスター・グループは、コロナ前の計画では2020年から2022年に18機のA321LRを受領する予定だった。座席数は1クラス232席、シートは独レカロ製で各席に充電用USB端子を設ける。
外観は新デザインとなり、ジェットスターのコーポレートカラーであるオレンジ色を尾翼と機体底部に配し、翼端のシャークレットには同社のロゴを入れた。塗装工程で2層コーティングシステムを新たに導入したことで塗装が従来よりも長持ちし、塗料の重量を最大30%削減した。
A321LRは、新型エンジンで燃費を向上させたA321neoの航続距離延長型。既存のA320やA321と比べ、航続距離が1200キロ延び、メルボルン-ケアンズ線、ゴールドコースト線など当初は豪州国内線に投入する。国際線の旅客需要回復後は、国際線への投入も視野に入れている。
グループでは、日本航空(JAL/JL、9201)が50%、カンタスグループが33.3%、東京センチュリー(8439)が16.7%出資するジェットスター・ジャパン(JJP/GK)が、A321LRの同社向け初号機を6月に受領する見通しで、7月1日の成田発福岡行きGK503便が初便になる。同社のA321LRの座席数は1クラス238席で、豪州の機体より6席多い。エンジンはいずれもCFMインターナショナル製LEAP-1Aを採用している。
A321XLRはさらに航続距離を延ばした機体で、A321LRの約7408キロ(4000海里)に対してA321XLRは最大約8704キロ(4700海里)飛行できる。初号機は2024年半ばに引き渡される見通しで、2029年までに20機を受領する計画となっている。
関連リンク
A321LR(ジェットスター・ジャパン)
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