ピーチ・アビエーション(APJ/MM)のエアバスA321LRの2号機(登録記号F-WXAL、JA901P)が5月29日午前、関西空港に独ハンブルクからインドのデリー経由で到着した。国内の航空会社が運航する同型機は、2021年に引き渡されたピーチの初号機に続き2機目。フランス国籍機として到着し、近く日本国籍機として登録される。既存機よりもシートピッチが広く、充電用USB端子も備えている。
—記事の概要—
・広いシートピッチと充電用USB端子
・本来は1機目のJA901P
広いシートピッチと充電用USB端子
A321LRはA320neoの胴体を約6.9メートル伸ばしたA321neoの航続距離延長型で、LRは「Long Range(ロングレンジ)」の略。ピーチはA321LRの導入をコロナ前の2018年7月に発表した。座席数は1クラス218席で、既存のA320ceo(従来型A320、1クラス180席)や、発展型で2020年10月に就航した低燃費・低騒音の新型エンジンを搭載するA320neo(1クラス188席)よりも多くの乗客を運べる。
新事業領域の中距離国際線を念頭に置いた航続距離が長い機材だが、新型コロナの影響で国際線の運休が続いていることから、2021年12月28日に就航した初号機(JA902P)は国内線に投入している。シートはレカロ製BL3710で、シートピッチは30-31インチ(約76-78センチ)と従来の28インチよりも広くなり、各席に充電用USB端子を備えている。
エンジンはCFMインターナショナル製LEAP-1A32。CO2(二酸化炭素)排出量は、A320ceoと比べて20%抑えられる。3個目の中央燃料タンクを追加することで、航続距離はA320neoの6300キロよりも1100キロ長い7400キロとなる。
本来は1機目のJA901P
29日に到着した2号機はエアバスによるフェリーフライトのAIB458便として、現地時間27日午前10時23分にハンブルクを出発。印デリーのインディラ・ガンジー国際空港を経由し、関空のA滑走路(RWY06R)へ29日午前8時50分に着陸し、同58分に到着した。
当初は2機導入予定で、コロナ前の計画では発注変更により6機に増やしたが、親会社のANAホールディングス(ANAHD、9202)が今年2月1日に発注済みの機材を見直したことで、3機の導入を予定している。初回発注2機は、米国の航空機リース大手ALC(エア・リース・コーポレーション)から長期リースで導入する。
発注時の計画では、2号機となったJA901Pが最初に引き渡される予定だったが、コロナの影響で機材の受領時期を見直したことで本来は2機目になるはずのJA902Pが先に納入された。
ピーチによると、2号機の就航時期は未定。当面は国内線に投入する見通し。
*写真は20枚。
運航実績
AIB458 ハンブルク(27日10:23)→デリー(27日22:06/28日22:00)→関西(29日:08:58)
関連リンク
ピーチ・アビエーション
Airbus
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