日本航空(JAL/JL、9201)は5月1日、格納庫などで構成する羽田空港の見学施設「SKY MUSEUM(スカイミュージアム)」の見学を2年2カ月ぶりに再開した。2021年に施設の展示エリアを8年ぶりに全面リニューアルしたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で休館が続いていた。15日までの初回受付分は、4月27日の受付開始直後に予約がすべて埋まった。
—記事の概要—
・当面は1回30人
・コロナでリニューアル延期に
当面は1回30人
開館日は週5日で、月曜と火曜、木曜、土曜、日曜。見学は無料で午前と午後の1日2コースを設け、午前コースは午前10時30分から午後0時20分まで、午後コースは午後2時30分から午後4時20分まで。当面は1回当たり見学者数の上限を30人とし、予約受付も感染状況に応じた対応を取るため、1-2週間分単位で受け付ける。
コロナ前は年末年始を除き年中無休で、1日最大5回開催。1回当たりの見学者数も100-120人を受け入れ、2020年3月1日から休館する前は年間12万人以上が訪れた。
1日に再開した見学ツアーは格納庫見学のほか、2021年に全面リニューアルした展示エリアを巡る。2013年7月以来約8年ぶりの刷新で、大型マルチディスプレイの導入やコンテンツのデジタル化などで展示内容の更新が可能になり、パイロットが実際に使用していたフライトシミュレーターを活用したコックピットや、実機から取り下ろしたビジネスクラスシート、歴代制服などを展示し、懐かしのテレビCMも視聴できる。
ミュージアムに入ってすぐの「空のお仕事紹介」コーナーは、等身大モニターに映し出された現役社員が仕事内容を紹介。パイロットや客室乗務員、整備士、地上係員、グランドハンドリングの各職種で使う道具なども展示している。床はミュージアムが入る施設と並行しているA滑走路(RWY16R/34L)をイメージし、両端に滑走路の方位を示す「16R」と「34L」が記された。
コックピットと客室モックアップも設置し、コックピットはグループの日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)が使用していたボーイング737-400型機用のフルフライトシミュレーターを活用し、737のコックピットを再現した。
歴代制服の展示エリアも刷新し、JALと統合前の日本エアシステム(JAS)の歴代制服に加え、1990年代から2000年代にかけて展開したリゾート路線キャンペーン「リゾッチャ」の制服なども並べた。
創業から70年間の歩みをサービス関連の歴史で振り返る一方で、1985年8月12日に起きた日本航空123便墜落事故や、2010年1月19日の経営破綻なども会社の出来事として取り上げた。
コロナでリニューアル延期に
JALは社会貢献活動(CSR)の一環として、機体整備工場(格納庫)の見学を1951年の会社設立間もないころから無償で実施。1994年からはJASも工場見学を開始し、2013年7月に見学施設をスカイミュージアムとしてリニューアルした。
その後は2020年春の開館を目指し、展示内容の刷新を計画したが、コロナの影響で工事開始直前に中断。その後工事を再開して2021年3月に完成したものの、緊急事態宣言などが続いたため、見学者の受け入れを再開できずにいた。今年3月には、来場者が触れるところを対象に、抗ウイルス・抗菌コーティングを機内や空港と同様に実施した。
5月16日以降の予約受付は、16日から31日見学分を6日から、6月2日から12日までの分を5月13日から、6月13日から20日までの分を5月20日から受け付ける。受付開始は午前9時30分からで、休館日は毎週水曜と金曜となる。
JALでスカイミュージアムを担当するESG推進部社会貢献グループの渡辺泰彦統括マネジャーは「待ちに待った見学再開でうれしい。今回のリニューアルでは展示をデジタル化し、今まで以上に歴史や航空会社の仕事を楽しんでいただけるようにした」と話す。コロナ影響により2020年11月にスタートさせたリモート見学は4万人が視聴し、今後も土曜と日曜に継続していくという。
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JAL工場見学 SKY MUSEUM
日本航空
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