ボーイングは現地時間4月28日(日本時間29日)、米空軍に引き渡しを予定している最新ジェット複座型練習機T-7A「レッドホーク」の初号機を公開した。空軍は351機を発注する見通しで、初号機はセントルイスで地上試験と飛行試験後、空軍に引き渡される。
T-7Aは、T-Xとして開発が進められてきた単発練習機で、1959年に初飛行したノースロップ・グラマン(当時ノースロップ)T-38「タロン」の後継機。F-22やF-35といった第5世代戦闘機のパイロット養成を主眼に置き新規開発した。飛行試験初号機は2016年12月20日に、2号機は2017年4月24日に初飛行し、2019年9月にT-7「レッドホーク」と命名された。
エンジンは単発ながら双発のT-38Cと比べて推力が約3倍となり、近年の戦闘機と同じ垂直尾翼が2枚の「ツインテール」を採用して全高を抑えた。コックピットは教官が座る後席を前席よりやや高い位置に配した「スタジアムシーティング」とすることで視界を確保している。地上とのデータリンクやキャノピーを横開きにするなど、T-38を使う教官の声を開発に反映し、製造コストを抑えた。
T-7Aは設計や製造工程などにデジタル工学を導入しており、設計から初飛行に至るまでの時間を大幅に短縮。リスクシェアリング・パートナーとして、ボーイングはスウェーデンのサーブと契約した。現在はボーイングのセントルイス工場で前部胴体、サーブのリンショーピン工場で後部胴体を製造しているが、サーブはインディアナ州ウエスト・ラファイエットに新設した工場で後部胴体の生産を始める見通し。
レッドホークは2023年までに最初の引き渡しが行われ、2024年までに初期運用能力、2034年までに完全な運用能力をそれぞれ獲得できる見込み。ボーイングは、日本を含む海外でのライセンス生産にも意欲を示している。
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U.S. Air Force
Boeing
ボーイング・ジャパン
T-7
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