ボーイングは現地時間4月27日、開発中の次世代大型機777Xの引き渡し開始を2年遅らせ、2025年に初号機を納入すると発表した。国が安全性を認める「型式証明(TC)」を取得するために時間が必要との見方を示し、生産も一時中断している。今年4-6月期から生産再開までの期間に約15億ドル(約1930億円)の異常原価が生じる見通し。
777の後継機となる777Xは、メーカー標準座席数が2クラス384席の777-8と、426席の777-9の2機種で構成し、777-9から開発が進められている。今年1月31日には、777-8をベースとする大型貨物機「777-8 Freighter(フレイター)」の開発が発表された。
777-8Fはカタール航空(QTR/QR)が2027年から受領する見通しで、今回の発表では同機の納期に関する言及はなかった。777-8Fの製造開始は2023年後半となる見込みで、777-9の生産レート向上のための調整を活用するという。
777X全体の受注残は3月末時点で334機。このうちエミレーツ航空(UAE/EK)が115機と3割強を占め、カタール航空が74機、シンガポール航空(SIA/SQ)が31機、エティハド航空(ETD/EY)が25機、キャセイパシフィック航空(CPA/CX)が21機、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)が20機、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が20機、ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)が18機、残り10機が匿名顧客となっている。
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