福岡空港を運営する福岡国際空港会社(FIAC)は4月26日、国際線旅客ターミナルの増改築工事を5月に着工すると発表した。東アジアでトップクラスの国際空港を目指し、年間1600万人の国際線旅客を受け入れられるよう、ターミナル北側の増築や国内線ターミナルと結ぶ連絡バス専用道路の整備などを進める。増築部分の開業は建設中の第2滑走路が供用開始となる2025年3月末、改修部分の完成は同年11月を目指す。
増改築工事では、ターミナルの床面積を現在の約7万3000平方メートルからおよそ2倍の約13万6000平方メートルに拡張。ターミナル北側を増築し、出発・到着機能の強化と免税店エリアを現在の約4倍に拡充するとともに、北側コンコースを延伸することでPBB(搭乗橋)を使用できるスポット(駐機場)を増やす。
既存施設の改修により、自動手荷物預け機の設置や保安検査機器の増設などを行い、出発手続き時間を短縮する。また、アクセスホールを整備し、到着ロビーの増床やバス・タクシーなどの二次交通機能を集約することで利便性を向上させ、国内線ターミナルと結ぶ連絡バス専用道路の整備により内際乗り継ぎ時の移動時間を短縮する。駐車場も既存のものを立体化して容量を拡大する。
現在の国際線ターミナルは1999年に供用開始。当時は250万人程度の旅客数だったが2012年度に300万人を超え、コロナ前の2018年度には690万人に達した。バスラウンジの新設やチェックインカウンターの増設などを行ったが手狭になり、出発・到着機能の強化や店舗サービスの拡充などが課題となっていた。
増改築工事の設計・監理は梓設計・HOK・西日本技術開発共同企業体で、施工は大成建設・旭工務店特定建設工事共同企業体が担う。
福岡空港は2019年4月1日に民営化。30年後の2048年度までに路線数をおよそ2倍の100路線に増やす目標を掲げ、東アジアでトップの空港を目指している。事業期間は2048年7月31日までの30年間で、国に所有権を残したまま運営権を売却する「コンセッション方式」で民営化され、FIACは滑走路やターミナルビル、貨物ビル、駐車場などを一体的に運営する。
国は2500メートルの第2滑走路の建設を進めており、2025年3月末の供用開始を予定している。
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