成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は4月26日、国際航空貨物の取扱量累計7000万トン達成を記念する式典を開催した。式典にはNAAの田村明比古社長ら関係者が出席し、開港から44年弱での達成を祝った。
—記事の概要—
・開港から43年11カ月で達成
・暦年の過去最高記録
開港から43年11カ月で達成
国際航空貨物は、開港した1978年5月20日から取り扱っている。7000万トンを突破したのは4月14日で、43年11カ月での到達となった。累計1000万トンに達成したのは1991年1月で、開港から12年8カ月かかった。2000万トンに達したのは1997年10月で、5年7カ月で1000万トンを積み上げた。
貨物取り扱いはその後も順調に推移。5000万トンは2012年12月に、6000万トンは2017年10月にそれぞれ達成した。6000万トン到達から4年6カ月で1000万トンを積み上げ、7000万トンを突破した。
田村社長は、成田周辺に多数の国際物流施設が集まっている現状を紹介。また2024年に供用開始を予定する第8貨物ビルなどを例に挙げ、さらなる機能強化により「一大物流拠点として機能していく」と述べた。
累計7000万トン記念の貨物は、全日本空輸(ANA/NH)グループのANAカーゴ(ANA Cargo)が運航する26日のシカゴ行きNH8402便(ボーイング777F貨物機、登録記号JA771F)に搭載。自動車部品を記念貨物とし、横断幕を貼り付けて機内に積み込んだ。
同便には記念貨物を含む自動車部品など68トンを搭載。777Fの搭載重量は10万2010キロ(102トン)だが、今回の積み荷はかさばることから、容量としては満載となった。
暦年の過去最高記録
航空便による貨物輸送は船便と比べ揺れが少ないことから、医療機器をはじめとした精密機器の輸送に適している。新型コロナウイルスの流行前は医療機器や電子部品、電気機械部品などの取り扱いが多かったが、コロナ後は半導体製造装置に加え、マスクをはじめとした医療品やテレワーク用のノートパソコン、ステイホーム中に使用するプロテイン、脱プラスチックの動きに関連したストロー製造用のクラフト紙などの荷動きが増加。またここ数カ月はコンテナ船が満載で積み残しとなった貨物が航空輸送に流入する「船落ち」が増えていることから、取扱量が増加傾向にある。
2021年の暦年(1-12月)では前年比32%増の259万1255トンを取り扱い、暦年として過去最高を記録。これまでの最高記録だった2004年の231万1597トンを大きく上回った。
成田空港の貨物を管轄する東京税関によると、成田空港の2021年の輸出と輸入を合わせた貿易額は28兆8972億円だった。全国の空港と海港別貿易額の17.2%を占め、全国で1位となっている。
成田空港の貨物
・郵船ロジスティクス、アストラゼネカのワクチン輸送 JALやANAと(21年8月23日)
・新型コロナワクチン、ANAの777-300ERで成田到着 機材大型化(21年4月5日)
・ANA、成田に貨物便集約 アジア-欧米間の取込強化、収益向上へ(21年2月5日)
・ZIPAIR就航 JAL系LCC初便は貨物専用便、翼振り成田からバンコクへ(20年6月3日)
・ANAカーゴ、777F就航 日本初導入、大型貨物も輸送可に(19年7月2日)
・ルフトハンザカーゴ、777Fに「こんにちは日本」 成田で命名式(19年5月23日)
21年暦年実績
・成田空港の国際線旅客、過去最低2年連続 貨物は過去最高、2021年暦年(22年1月28日)
旅客は11億人達成
・成田空港、11億人達成 開港から41年6カ月(19年11月21日)
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