ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)は4月14日、新機材エアバスA321LRを7月1日から成田-福岡線と札幌(新千歳)線に就航させると発表した。機体外観は新デザインとなり、初便は成田発福岡行きGK503便で、前日6月30日には成田発着の周遊チャーターを実施する。
当初は2020年夏に就航予定だった同社のA321LRは、初号機(登録記号JA26LR)を6月に受領予定。運航スケジュールは1日当たり最大3往復6便で、成田-福岡線を1往復後に札幌線を2往復運航。成田を午前7時10分に出発する福岡行きGK503便を皮切りに、折り返しの福岡午前10時5分発の成田行きGK502便、成田午後0時55分発の札幌行きGK111便、札幌午後3時30分発の成田行きGK110便、成田午後6時発の札幌行きGK119便、札幌午後8時45分発の成田行きGK120便に投入する。7月12日のGK119/120便と、7月26日の3往復全6便はA320で運航する。
A321LRは、新型エンジンで燃費を向上させたA321neoの航続距離延長型。座席数は1クラス238席で、現行機のA320ceo(A320従来型、1クラス180席)と比べて58席増え、シートは独レカロのBL3710を選定した。シートピッチは従来とほぼ同様の28インチ(71.12センチ)から39インチで、各席に充電用USB端子を設ける。
エンジンはCFMインターナショナル製LEAP-1Aで、3個目の中央燃料タンクを追加することで航続距離を約7408キロ(4000海里)に延長できる。燃費はA321ceoと比べて約15%向上し、静粛性も高まる。中距離国際線への参入を見据えた機材だが、新型コロナウイルスの影響で需要が減少しているため、高需要の国内幹線から投入することにした。
外観はジェットスターのコーポレートカラーであるオレンジ色を尾翼と機体底部に配し、翼端のシャークレットには同社のロゴを入れた。塗装工程で2層コーティングシステムを新たに導入したことで塗装が従来よりも長持ちし、塗料の重量を最大30%削減した。
ジェットスター・ジャパンの片岡優社長は「A320と比べて座席が32%増え、貨物コンテナも3個多い10個搭載できる」と語った。同社の機材はA320が19機で、A321LRの受領により20機になる。「2号機は年内、3号機は来年以降を予定している。国際線は状況を見て検討するが、まだ不透明な部分が多い」として、当面は国内線に投入するという。また、既存のA320の置き換えについては「少し先になる」と述べた。
7月3日でジェットスター・ジャパンは就航10周年を迎える。A321LRの周遊チャーターはこれを記念したもので、5月24日から6月15日まで販売する。
A321LRの導入は国内2社目で、初導入のピーチ・アビエーション(APJ/MM)は2021年12月28日に就航させた。
*同時発表したJALとのマイル提携拡大はこちら。
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