国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を担う三菱航空機が、米ワシントン州にある米国の飛行試験拠点「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」を3月末で閉鎖したことが4月14日までにわかった。11日の当紙既報の通り、米国で試験を行っていた4機の飛行試験機のうち、3号機(登録記号JA23MJ)の日本国籍機としての登録は3月で抹消され、機体は解体された。スペースジェットの抹消は初めて。
スペースジェット関連の海外拠点はMFCのほか、ワシントン州シアトル近郊のレントンにある米国法人の本社と、カナダのモントリオールにある開発拠点の北米3カ所。今回のMFC閉鎖で海外拠点をすべて手じまいした。
MFCにある飛行試験機のうち、3号機は3月14日付で「航空の用に供さないため」として三菱航空機が国交省に「抹消登録」を届け出て、17日に抹消された。スペースジェットの抹消は初めてで、残り3機の飛行試験機や国内にある機体の扱いは検討中だという。
スペースジェットの試験機で、これまでに飛行したのは5機。2015年11月11日に初号機(JA21MJ)が初飛行し、その後は2016年5月31日に2号機(JA22MJ)、同年9月25日に4号機(JA24MJ)、3号機は同年11月22日、設計変更を反映した通算10号機(JA26MJ)は2020年3月18日に初飛行した。
また、2017年11月30日に愛知県小牧市の県営名古屋空港に隣接する最終組立工場内にオープンした展示施設「MRJミュージアム」は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため臨時休館が続いている。三菱重工業(7011)によると、今後の扱いは検討中で現時点で決まったものはないという。
3号機抹消
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