エールフランス航空(AFR/AF)とKLMオランダ航空(KLM/KL)を傘下に持つエールフランス-KLMグループは現地時間4月12日、エアバスが開発中の大型貨物機A350Fを4機確定発注したと発表した。エールフランスが運航する。2021年12月16日に発表したエアバスとの基本合意書(LoI)に基づくものでローンチカスタマーの1社となり、4機の追加購入権付き。
エールフランスは、A350Fをパリのシャルル・ド・ゴール国際空港を拠点に運航する計画。すでに運航している2機のボーイング777F貨物機による航空貨物輸送をA350Fで増強する。
A350Fは大型旅客機A350の貨物型で、最大離陸重量は319トン、ペイロードは最大109トン、航続距離は8700キロメートル(4700海里)。全長は70.8メートルで、A350-900の66.8メートルとA350-1000の73.79メートルの間の長さとなる。エアバスによると、胴体の長さと容量は、業界標準のパレットや貨物コンテナに最適化したといい、機体後部左側に貨物ドアを設けた。
エンジンは、ロールス・ロイスのA350向けエンジン「Trent XWB(トレントXWB)」のうち、A350-1000向けのTrent XWB-97が採用された。燃費とCO2(二酸化炭素)排出量はボーイング777F貨物機と比べて20%以上少なくなるという。また、2027年に発効するICAO(国際民間航空機関)のCO2排出基準をクリアする。
エアバスは2021年7月にA350Fの開発を決定し、2025年に就航予定。確定発注は22機で、エールフランス-KLMグループの4機のほか、航空機リース大手ALC(エア・リース・コーポレーション)が7機、仏CMA CGMグループの航空貨物部門CMA CGMエアカーゴが4機、シンガポール航空(SIA/SQ)が7機となっており、エティハド航空(ETD/EY)も7機導入に向けてLoIを締結している。
エールフランスは旅客型のA350-900を38機発注しており、15機を受領済み。
A350F
・シンガポール航空、A350F貨物機を7機確定発注 25年から747更新(22年2月17日)
・エティハド航空、A350F貨物機を7機発注へ(22年2月16日)
・シンガポール航空、A350F貨物機を7機発注へ 25年から747-400F置き換え(21年12月15日)
・CMA CGMエアカーゴ、A350Fを4機発注(21年11月21日)
・ALC、エアバス機111機発注へ A350F貨物機も(21年11月16日)
・エアバス、A350貨物型開発へ 25年就航視野(21年7月31日)
エールフランス
・エールフランス、成田5月増便 週5往復に、羽田は5月末まで運休継続(22年4月6日)