企業, 空港, 解説・コラム — 2022年4月7日 20:30 JST

お湯切れ対策がヒットの近道? 続・羽田空港ラーメン自販機「Yo-Kai Express」実食記 とんこつ編

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 羽田空港に設置された米国スタートアップ企業Yo-Kai(ヨーカイ)のラーメン自動販売機「Yo-Kai Express(ヨーカイエクスプレス)」が、JR東日本の東京駅にも4月6日に登場した。12日までの実験的な設置で、税込価格は羽田と同じ1杯790円。メニューも羽田と同じしょうゆ「東京 Shoyu」・みそ「札幌 Spicy Miso」・とんこつ「九州 Tonkotsu」、塩「鶏 Yuzu Shio」の4種類が並ぶ。

羽田空港第2ターミナルに設置されたラーメン自販機Yo-Kai Express=22年3月23日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 一方、羽田第2ターミナル1階「24時間自販機レストラン」に設置された自販機は、ターミナルを運営する日本空港ビルデング(9706)によると期間限定ではなく、いつでも利用できるという。私は設置初日の3月23日に訪れ、みそラーメンを購入して食べてみたが、ラーメン完成と同時に開く割り箸やレンゲが入った取出口がすぐに閉まってしまうなど、導入初期にみられがちな課題はあったものの、ラーメン自体はおいしく、今後の可能性を感じた自販機だった(前回記事はこちら)。

 23日に訪れた際に気になった点は、ラーメンを画面内で選んでもすぐに購入できず、しばらく待たないと決済画面に進まないことだった。その後、31日夜に全日本空輸(ANA/NH)の特別塗装機「BB-8 ANA JET」の最終便を取材後に訪れると、自販機には「次回の商品提供まで最短2分から最大15分程かかる状態です」との張り紙が……。どの程度待てばラーメンを食べられるのかを調べてみた。

ラーメン自販機Yo-Kai Expressで食べたいラーメンを選択しても購入に進めない時はこのようなメッセージが表示される=22年3月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

調理が始まると画面にステータスバーが表示される=22年3月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 午後9時40分。先客の知人が注文後、前回みそラーメンと悩んだ末にあきらめたとんこつラーメンを選んだところ、「準備中です。しばらくしてからもう一度お試しください」とのメッセージが自販機の画面に表示された。最短2分で注文できるのかを確認するため、1分ごとに注文を試みたが、決済画面に進んだのは午後9時51分だったので、連続購入時は10分程度待つ場合があることが確認できた。

 支払いはクレジットカード(VISA、Mastercard)と交通系ICカード、電子マネー(nanaco、楽天Edy、WAON、iD)、PayPayなどのQRコード決済に対応。前回23日の段階ではiDに対応していなかったので交通系ICのPASMOで支払ったが、今回はiDで決済した。

 ラーメンの取出口が開いたのが午後9時53分だったので、うたい文句通り90秒程度でラーメンは完成した。自販機にはスピーカーが付いているようだが、画面に割り箸やレンゲの取り出しを促す表示は出るものの、音声案内はなかった。こういった部分も改良が進むと、より使いやすい自販機になりそうだ。前回は割り箸を取り損ねてしまったが、今回は割り箸を取ってから熱いラーメンを取り出した。

 このラーメンは本当に熱い。冷凍ラーメンを熱湯で調理しているようで、テーブルに運ぶ際には十分注意が必要だ。私はそこそこ熱いものでも持てる自信があったが、このラーメンはかなり厳しい。

ラーメン自販機Yo-Kai Expressで調理されたとんこつラーメン。下が割り箸などの取出口=22年3月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ラーメン自販機Yo-Kai Expressで調理されたとんこつラーメン=22年3月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 肝心のラーメンは、とんこつラーメンらしく細麺で、具材もチャーシューやネギ、キクラゲ、紅しょうがが入っていた。あくまでも冷凍ラーメンなので、透明なふたを剥がしても店のラーメンのようなきれいな盛り付けは期待できないが、味は前回食べたみそラーメンに続いて満足できるものだった。

 注意点としては、みそラーメンと同様にそのままではスープの味が薄い仕上がりになってしまうので、食べる前にしっかりかき混ぜる必要がある。

 その後、次の来店者が午後9時58分ごろにラーメンを購入できていたので、5分程度の間隔が空くと調理を再開できたようだ。調理方法から考えると、ラーメンを一定数調理すると自販機内の熱湯がなくなり、十分な量のお湯が準備できるまでの時間が待ち時間につながっているとみられる。

 開発元のヨーカイの発表によると、今後は力の源ホールディングスが展開する人気ラーメン店「一風堂」とコラボしたメニューも提供するという。

 ラーメン自販機が設置されている第2ターミナル1階の「24時間自販機レストラン」は羽田空港で働く人に人気のようで、私が訪れた夜10時前後の時間帯はおにぎりなど軽食類の多くが完売しており、ラーメンも安定供給が確立されると人気を博しそうだ。1杯790円が高いか妥当かは判断が分かれると思うが、こうした自販機であれば深夜の羽田のように確実に需要はあるものの、店員を雇って店舗を展開するのは厳しい場所でもラーメンが食べられるようになるので、今後の動向に注目していきたい。

ラーメン自販機Yo-Kai Expressで調理されたとんこつラーメンのふたを開けたところ。冷凍なのでお店のラーメンのようなビジュアルは難しい=22年3月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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Yo-Kai Express
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