日本航空(JAL/JL、9201)は3月15日、欧州路線のうち羽田-ロンドン線の運航継続が冬ダイヤ最終日の26日まで決まったと発表した。ロシアのウクライナ侵攻の影響で、ロシア領空を迂回(うかい)してアラスカ上空などを飛行する北回りで運航し、パリ、フランクフルト、モスクワ、ヘルシンキ線は引き続き欠航する。27日からの夏ダイヤ期間の運航は決定次第発表する。
期間中に運航する便は、羽田発ロンドン行きはJL43便が26日まで毎日、JL41便が16日と18日、20日、23日、25日。ロンドン発羽田行きはJL44便が26日まで毎日、JL42便が19日までと21-26日で、20日は臨時便のロンドン発羽田行きJL8044便を運航する。
JALが運航する北回りの「ポーラールート」は、羽田を出てアラスカ西側のベーリング海に面する辺りから北米大陸、グリーンランド、アイスランドを経てロンドンへ向かう(関連記事)。迂回ルートではもっとも飛行時間が短く、ロンドンで乗り継げることから羽田-ロンドン線のみ運航を続けている。
飛行時間はJL43/44便の場合、ロンドン行きJL43便が通常は12時間40分、羽田行きJL44便が11時間55分だが、北回りになることで往路のJL43便が定刻で2時間55分、復路のJL44便が4時間30分多くかかり、JL43便の飛行時間は約15時間40分、JL44便は約16時間25分になる。
欠航となるパリ、フランクフルト、モスクワ、ヘルシンキ線の利用者は、ロンドンからブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)などの便に乗り継いでもらう。BAはJALと同じ航空連合ワンワールド・アライアンスに加盟している。
全日本空輸(ANA/NH)は26日までの欧州路線のうち、羽田発フランクフルト行きは直行便からウィーン経由に変更し、給油のために立ち寄る「テクニカルランディング」により搭乗できる乗客数や貨物搭載量を増やす。成田-ブリュッセル線は引き続き直行便で運航し、羽田-ロンドン線とパリ線は欠航を継続する。いずれもロシア領空を迂回して南回りで飛ぶ「中央アジアルート」で運航する(関連記事)。
関連リンク
日本航空
ロシア迂回ルート解説
・JALとANAどう飛ぶロシア迂回ルート アンカレッジ寄らない北回り、イスタンブール通過の南回り(22年3月5日)
ANA欧州路線
・ANA、フランクフルト行きをウィーン経由に 途中給油で搭載量確保、18時間超(22年3月11日)