企業経営において性別や年齢、国籍、人種、障がいの有無などダイバーシティ(多様性)への関心が2010年代中ごろから徐々に高まってきている。航空会社は女性の比率が高かったり、外国籍の社員が以前から在籍しているなど、世の中一般の企業と比べると多様性に関する取り組みが比較的進んでいる業種と言えるだろう。
しかし、同じ航空業界と言っても、航空会社以外では男女比が男性に偏っていたり、海外展開をしていても外国人社員がほとんど在籍していないなど、“男社会”“純日本企業”といった企業もある。
こうした中、空港内の施設などを手掛ける空港施設(8864)の経営陣は、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I、多様性と受容)」のキックオフ・ミーティングを2月に開いた。同社もこれまでは男社会な企業体質だったことから、経営陣がまず社外の講師からD&Iについて学び、社内に展開していくことにした。
このミーティングを中心になって企画したのが、日本航空(JAL/JL、9201)の客室乗務員で空港施設の人事課へ出向中の瀬戸美波さん(29)だ。出向前から人事の仕事に関心があったという瀬戸さんに、経営陣を巻き込んだイベントを企画した狙いを聞いた。
—記事の概要—
・男性中心、残業当たり前、滅私奉公は終わり
・「私が言い続けすぎてもダイバーシティではなくなる」
男性中心、残業当たり前、滅私奉公は終わり
瀬戸さんは以前から国家資格のキャリアコンサルタントを取得しようと勉強しており、JALの人事部への異動を願い出ようとしていたところ、2021年4月から空港施設へ出向。現在の職場である人事課へ着任後に取得した。
「採用活動などに関わっていく中で、社内でも話を聞くと、多様性をもっと意識した方がいいのではないかとなり、IT、広報、秘書、人事、総務といろんな部署が1つのイベントに協力することになりました」(瀬戸さん)と、これまでの空港施設ではあまりなかった横断的な取り組みになった。
フレックスタイムや在宅勤務の導入、育児休業などの働き方改革や
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