日本航空(JAL、9201)は3月8日、羽田空港にある見学施設「SKY MUSEUM(スカイミュージアム)」で抗ウイルス・抗菌コーティングを実施した。コックピットやタッチパネルなど、おもに来場客が触れるところを対象に施した。スカイミュージアムは現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により工場見学を休止している。再開日は未定だが、再開に向けた準備が着々と進んでいる。
ミュージアムに入ってすぐの「空のお仕事紹介」コーナーのタッチパネルや、JALグループの日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)が使用していたボーイング737-400型機のフルフライトシミュレーターで再現した737のコックピット、客室モックアップなど、来場客が触って楽しむところにコーティング剤を噴霧。抗菌作業は機内などと同様、JALグループでグラハン業務を担うJALグランドサービス(JGS)が担当した。
コーティング剤は水拭きしてもはがれないものを使用。3年から5年程度保ち、人体にも影響がないという。噴霧作業は2時間程度で終了し、修了したところには抗菌コーティング済みを示すSIAA(抗菌製品技術協議会)の認証マークを貼付した。
スカイミュージアムの見学は、新型コロナの影響により現在休止しており、再開のめどが立っていない。ミュージアム内の案内などを担当するJAL総務本部ESG推進部社会貢献グループの加藤智也アシスタントマネジャーは「お客さまの手に触れるとこを重点的にコーティングした。安心して触っていただきたい」と述べ、早期の再開に期待を寄せた。
JALは社会貢献活動(CSR)の一環として、機体整備工場(格納庫)の見学を1951年の会社設立間もないころから無償で実施。1994年からは統合前の旧日本エアシステム(JAS)も工場見学を開始し、2013年7月に見学施設をスカイミュージアムとしてリニューアルした。
新型コロナ前は年間14万人が訪れる人気施設だったが、コロナの影響により2年前の2020年3月1日から休止。休館中の2021年7月に、大型マルチディスプレイの導入やコンテンツのデジタル化など8年ぶりに刷新した。現在は代替として、オンライン会議システムを活用した「リモート工場見学」を提供している。
*写真は10枚。
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JAL工場見学 SKY MUSEUM
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