ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)は3月8日、「第3ブランド」として立ち上げる中距離国際線のブランド名を「AirJapan」にしたと発表した。2023年度下期の就航を予定している。FSC(フルサービス航空会社)の全日本空輸(ANA/NH)、LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)の“良いところ取り”を目指すという。
運賃はLCCのような手ごろな価格帯、サービスは機内食など既存のFSCが提供しているものの中から利用者が希望するものをオプションとして選択してもらう。機材はANAが運航してる国際線用のボーイング787-8型機を転用し、機体改修後の座席数は300席程度になる。
成田空港を拠点に、1機の運航時間が往復24時間以内のアジア・オセアニア路線の開設を目指す。
ブランドコンセプトは「Fly Thoughtful」。気遣いや思いやり、やさしさといった意味を込めた。日本のエアラインであることや、日本品質を伝えるためこのブランド名にしたという。ブランドカラーは「藍色」と「曙色」の組み合わせで、藍色は藍染めから「丁寧な技法」、曙色は春の日の出の色として「心地よい暖かさ」を表現した。
エアージャパンはANAグループで現在、アジア・リゾート路線を担っている。エアージャパンの峯口秀喜社長は「1つの運航会社が2つのブランドを運航する日本初の試み」と述べ、新ブランドの路線と既存のANA路線の双方を運航していく方針を示した。
新ブランドとANAブランドの運航比率は「年に2機ずつくらい増やしていくので、最初は新ブランドはかなり小さい。ANAブランドの運航も増えていく可能性もある」と明言は避けた。エアージャパンは現在787のみ運航しており、新ブランド発足後に従来のように767の貨物機を運航することはないという。
競合の日本航空(JAL/JL、9201)は、100%出資する中長距離LCCのZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)を設立。現在は成田-バンコク線とソウル(仁川)線、ホノルル線、シンガポール線、ロサンゼルス線の5路線を運航しており、台北就航も計画。中長距離路線が主軸だが、短距離路線も運航することで機材稼働率を高める。
*AirJapanの解説記事はこちら。
*写真は4枚。
*テキストの更新は終わりました。(22年3月8日 12:48 JST)
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