ボーイング, 官公庁, 機体 — 2022年3月5日 18:19 JST

米海軍E-6B、ノースロップ・グラマンが近代化改修

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 ノースロップ・グラマンは、米海軍から通信中継・空中指揮機E-6B「マーキュリー」の近代化改修を受注した。米ルイジアナ州レイクチャールズにある同社の航空機整備・製造センターで5年間かけて実施される見込み。今回の契約は1億1100万ドルで、指揮・統制・通信機能を向上させるとしている。

米海軍のE-6Bマーキュリー=PHOTO: U.S. Air Force, Staff Sgt. Jacob Skovo

 E-6は海軍の弾道ミサイル潜水艦部隊を支援する航空機。米軍の重要な戦略的通信任務「TACAMO(Take Charge and Move Out)」を担う機体で、超低周波通信システムやデュアル・トレーリング・ワイヤー・アンテナを搭載し、有事の際にNCA(国家指揮権限)と弾道ミサイル潜水艦部隊を結ぶ。

 航続距離は6600海里、乗員は22人で、エンジンはCFM製CFM-56-2A-2を4基搭載している。

 老朽化したEC-130Qの置き換えを目的として、ボーイングが1983年に本格的な開発委託を受け、E-6Aのプロトタイプが1986年12月にワシントン州のレントン工場でロールアウトした。民間機のボーイング707型機を基にした機体で、初飛行は1987年2月、納入は量産初号機が1989年8月、最終号機が1992年5月で、計16機が引き渡された。

 E-6Bは通信中継機のE-6Aに空中指揮機能を加えて改良したもので、TACAMO任務と空中戦略指揮任務の双方に対応できる。ALCS(空中発射制御システム)を搭載しており、米軍の陸上大陸間弾道ミサイルを発射できる。1997年12月にE-6Bの初号機が引き渡され、1998年10月からデュアルミッションの運用を開始し、2003年に改修を終えた。

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