EU(欧州連合)は現地時間2月27日、ウクライナに侵攻しているロシアに対して追加制裁を発表した。EC(欧州委員会)のフォン・デア・ライエン委員長は「ロシア所有、ロシア登録、ロシア支配の航空機によるEU領空の飛行を禁止する」と発言した。
これを受け、アエロフロート・ロシア航空(AFL/SU)は欧州を目的地とする全便を追って通知があるまで運休すると発表。S7航空(SBI/S7)は27日と28日のオーストリア、ドイツ、スペイン、イタリア、フランス発着便の欠航が決定したが、以降のフライトは今後発表するとしている。
日本と欧州の航空会社では、EUの追加制裁前からロシアによるウクライナ侵攻の影響が出始めている。日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)が羽田-モスクワ線を週1往復運航しているが、24日の羽田発モスクワ行きJL49便と25日のモスクワ発羽田行きJL40便を欠航。今後の運航はロシア・ウクライナ情勢を見極めつつ、安全に影響がないことを確認して決定するという。また、JALの欧州路線はこれまでもウクライナ上空は飛行していないものの、ロシア上空を飛行できなくなると運航時はロシアを迂回(うかい)する経路に変更することで飛行時間などに影響が出る可能性がある。
全日本空輸(ANA/NH)は現在ロシア路線を運航していない。欧州路線はウクライナ上空を飛行していないものの、ロシア上空が飛行できなくなると、飛行時間などに影響が出る可能性がある。
欧州の航空会社では、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)を中核とするルフトハンザ・グループが、26日に「今後7日間はロシア領空を飛行しない」と発表。エールフランス航空(AFR/AF)は27日からロシア発着便およびロシア領空を通過するフライトを追って通知するまで停止することを発表し、日本と中国、韓国路線は一時運航を停止後、ロシア領空を迂回するフライトプランを検討するとしている。
フィンエアー(FIN/AY)は28日、ロシア領空を通過するフライトを1週間停止すると発表。ヘルシンキから成田、関西、上海、モスクワ、サンクトペテルブルクの各地への便は3月6日まで運休が決まった。また、ヘルシンキからバンコク、プーケット、シンガポール、デリー、ストックホルム・アーランダからバンコク、プーケットへの便は運航を継続するものの、ロシア領空を迂回するため飛行時間が約1時間長くなるという。
日本時間27日夜からオンラインで開かれたG7(先進7カ国)の外相による緊急会合では、ロシアのウクライナ侵攻を「侵略」と強く非難した。
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