ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下でプラットフォーム事業を担うANA Xと地域創生を手掛けるANAあきんど(旧ANAセールス)は2月25日、小田急線・成城学園前駅近くの成城石井本店横の併設スペースに開設した地場産品を販売する直営店舗「TOCHI-DOCHI」を報道関係者に公開した。第1弾は鹿児島県奄美群島を取り上げ、1-3カ月ごとにさまざまな自治体の特産品を取り扱い、非航空事業の拡大やコロナ後の旅行需要創出につなげていく。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で人々の生活様式が変わったことから、ANAグループは全日本空輸(ANA/NH)を中核とする航空事業のほか、日常生活に根ざした非航空事業を拡大しており、TOCHI-DOCHIは1月16日プレオープンを経て2月10日に正式開業した。店内には奄美名物の「けいはん」や、日本一の生産量を誇る喜界島の白ゴマ、黒糖を使ったお菓子などが並ぶ。
ANAマイレージクラブ(AMC)会員の場合、会計時にANAカードやアプリなどで会員番号を提示すると5%オフになる。3月1日からはマイルを会員に付与するようになり、税抜き利用金額100円ごとに1マイルがたまる。支払いがANAカードによるクレジット決済またはANAのQRコード決済「ANAペイ」を利用時は金額が5%オフになり、利用金額200円ごとに1マイルの追加マイルが付与される。
TOCHI-DOCHIを担当するANA X事業開発部の市間豪さんは「成城学園前駅周辺はANAの顧客が多く、世帯年収も高いです」と出店の狙いを語る。コロナにより旅行に出掛けにくい中で、各地の特産品を購入したいというニーズに応える形で出店先に選んだという。また、成城石井はコロナ影響でANAの業績が悪化した際、社員の出向を受け入れている。
一方で、今回は成城石井本店の敷地内に出店しているものの共同事業ではなく、商品選びや販売もANA側が担う。商品は奄美のメーカーから預かり、TOCHI-DOCHIで販売代行するビジネスとなる。グランドオープンから2週間ほどの客層は、40代から60代の女性や夫婦が目立つという。
成城石井に来店した人が立ち寄ることもあり、「街中のスーパーのような事業で、空港の売店とは別の商品をそろえています」(市間さん)と空港での商品展開とは別立てとし、成城石井にも置いていない商品を選んでいるという。
店舗開設期間は2023年3月31日までで、営業時間は午前10時から午後8時まで。取り扱う特産品は、奄美は3月末までで、4月からは香川県をテーマに商品を展開する。今後は1-3カ月ごとにさまざまな自治体の特産品を扱うが、ANAが月ごとなどで設定する商品のテーマに合わせて自治体と連携していく。
奄美空港にはANAHD傘下のLCCであるピーチ・アビエーション(APJ/MM)が就航しており、成田と関西両空港から奄美大島線を運航している。
奄美市東京事務所の藤江俊生所長によると、奄美大島では春にかけてホエールウォッチングが人気だという。
関連リンク
ANA X
ANAあきんど
ピーチ・アビエーション
奄美市
TOCHI-DOCHI
・ANAグループ、成城学園前に特産品店「TOCHI-DOCHI」第1弾は奄美(22年1月23日)
ANA XとANAあきんど
・ANA、羽田で全国の銘品買える土産物店 博多ラーメンや離島食材も(21年8月26日)
・ANA、日常生活でポイント貯まる新サービス 「ANAポケット」スタート(21年12月20日)
・ANA、「マイルで生活できる世界」目指す 地域創生で非航空収入拡大へ(21年3月26日)
ピーチの奄美路線
・ピーチ、関空-奄美就航 バニラからの移管完了(19年12月26日)
・ピーチ、成田-奄美就航 初便には元バニラの機体・パイロット(19年10月1日)
バニラ時代の奄美路線
・バニラ、成田-奄美の運航終了 独自路線、10月からピーチ(19年8月31日)
・バニラエア、関西-奄美線の運航終了 冬ダイヤからピーチに(19年5月7日)
・バニラエア、関西-奄美大島就航 19年ぶり再開(17年3月26日)
・バニラ石井社長「黄色い機体が奄美に映える」 成田-奄美大島線就航(14年7月1日)