全日本空輸(ANA/NH)は2月22日、おからとこんにゃく由来の新食材「Deats(ディーツ)」を使った国際線機内食「“ヘルシー”かつ丼」を3月からビジネスクラスの軽食として提供すると発表した。Deatsを機内食で採用するのは世界初で、肉を使わないことで健康志向に応える。
Deatsはディーツフードプランニング(奈良・橿原市)が開発した新食材で、豆腐や豆乳を作る過程でできる「おから」と、こんにゃくが原材料。ANAで機内食に携わる商品企画部の龍神早紀さんによると、大豆由来の代替肉と比べて大豆臭さがなく、メニューの味付けを反映しやすく、カツ丼は半年ほどかけて開発した。おから由来の食物繊維が豊富で、低糖質、低脂肪、低カロリーでヘルシーなカツ丼に仕上げた。
ANAの機内食を手掛けるANAケータリングサービス(ANAC)の和食料理長を務める森誠剛氏は「肉々しい食感にこだわり、少し濃いめの甘辛の味付けで全体をまとめた」と話す。ご飯も白米とDeatsブランドのこんにゃく米を半分ずつ混ぜて糖質を抑えるようにし、白米のみと比べて遜色のないご飯にした。
ANAのCX推進室長を務める矢澤潤子上席執行役員は「ためらう必要がない、罪悪感のないヘルシーフード。夢のようなカツ丼」と、健康志向の人でもちゅうちょなく食べられるカツ丼であることをアピールした。
ANAは食事制限がある人向けなどの「特別機内食(スペシャルミール)」のうち、低糖質と低脂肪、低カロリー、低塩のメニューを2021年10月にリニューアル。すべての利用者が多くの選択肢からメニューを選べるようにする「食のユニバーサル化」の第1弾で、今回のカツ丼は第2弾となる。龍神さんは「Deatsはカツ丼だけでなく、より多くの方に食べていただきたい」と述べ、今後はラウンジなどでも展開していきたいという。
また、機内食の調理時に発生する食品廃棄物由来の堆肥(たいひ)を使って生産された「ソフトケール」をエコノミークラス機内食のサラダに採用。ANACでは調理時に出る残渣(ざんさ)が2019年度実績で年間約248トン発生し、2008年から食品廃棄物を堆肥や飼料へ100%リサイクルしていたが、今回の取り組みでANAでは初めて循環型を実現した。
カツ丼は3月1日から通年で提供予定で、国際線ビジネスクラスのうち、日本発の北米、欧州、インド、オセアニア路線で用意する。ソフトケールを使ったエコノミークラスの新ミックスサラダは3月1日から日本発の国際線全路線で提供する。
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