日本航空(JAL/JL、9201)グループは2月10日、国内線運賃を刷新すると発表した。現在9種類ある運賃を3種類に簡素化して分かりやすい運賃体系に変更する。搭乗当日に空港でアップグレードする際、一定の追加料金で利用できる「ファーストクラス」と「クラスJ」は、距離に応じた料金体系に変える。新運賃は2023年4月12日搭乗分から適用し、330日前の今年5月17日から発売する。
—記事の概要—
・3種類に簡素化
・ファースト・クラスJは距離制
・特典航空券PLUS導入も予約変更不可
3種類に簡素化
国内線の運賃は現在、普通運賃のほか出発21日前から前日まで予約できる「特便」と、75日前から28日前までの「先得」の3パターンあり、特便と先得は日数により4種類ずつに分類し、複雑になっている。
新料金では普通運賃を「フレックス」、特便を「セイバー」、先得を「スペシャルセイバー」に変更。フレックスは当日まで、セイバーは前日まで、スペシャルセイバーは28日前まで購入できるようにする。
運賃は混雑状況により変動し、閑散時は低価格、混雑時は高価格で提供。出発日が近づくにつれ、運賃が上昇する。
往復利用や小児など、大人普通運賃を基準に設定していた各種割引料金は、普通運賃の「フレックス」に加え、割引運賃の「セイバー」「スペシャルセイバー」でも設定する。往復割引「往復セイバー」は各種運賃から5%、小児割引は25%、障がい者割引は20%、介護帰省割引は10%、それぞれ割り引く。
離島など複数の便を乗り継ぐ際の乗継運賃も見直し、出発地から最終目的地までの航空券を通しで購入すれば、便ごとに予約するよりも安くなるようにする。
また、現在の払戻手数料を廃止し、予約取消時の手数料は取消手数料に一本化する。
特便は2002年、先得は2006年に登場した割引運賃で、約20年ぶりに大掛かりな国内線運賃の見直しとなり、長期間で複雑化した運賃体系を整理する。JALによると、予約システム刷新と併せて4年ほど前から新運賃の検討を進めてきたという。
ファースト・クラスJは距離制
現行では普通席を基準に運賃の追加分を設定している上級クラスの「ファーストクラス」と中間の「クラスJ」は、クラスごとに独立した運賃を設定。搭乗当日に空港でアップグレードする場合、現在は全路線一律でファーストクラスは8000円、クラスJは1000円、それぞれ普通席に追加することで利用できるが、新しい運賃体系では距離などに応じ、路線ごとに異なる料金を各クラスで設定する。
ファーストクラスとクラスJは、それぞれ短距離、中距離、長距離と路線ごとの運賃を設定。具体的な運賃は検討中で、3月末までに国土交通省へ届け出を予定しているが、従来の運賃を上回るとみられる。
特典航空券PLUS導入も予約変更不可
マイルで交換する特典航空券の仕組みも変更。基本マイルに追加することで空席がある場合に予約できるようにする、国際線に導入済みの「特典航空券PLUS」を国内線でも導入する。
現在のマイル体系は2種類で、マイル用の空席がある場合に6000マイルで利用できる「特典航空券」と、マイル用が埋まっていても便に空席がある場合に1万3000マイルで使える「いつでも特典航空券」を用意。新体系では基本の6000マイルに追加マイルを使うことで、便に空席がある場合に予約できるようになる。
一方、予約残席に応じて必要マイル数が変動することに伴い、2023年4月12日以降の搭乗分から予約変更ができなくなる。
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新運賃の予約を開始は今年5月17日から。搭乗開始は2023年4月12日からで、前日の11日までは新運賃の予約と現行運賃の予約・搭乗を並行する。
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