1982年に乗客24人が亡くなった日本航空(JAL/JL、9201)のダグラスDC-8-61型機(登録記号JA8061)による羽田沖墜落事故から、2月9日で40年が経った。事故現場となった羽田沖事故慰霊碑付近で40周年慰霊行事が開かれ、JALの赤坂祐二社長らが犠牲者に黙とうをささげた。
事故について運輸省(当時)の事故調査委員会は、機長の精神的変調により発生したと結論付けている。赤坂社長は慰霊碑に向かい「航空機技術が進歩しても、安全に向けた乗務員の心身健康の重要性は変わらない。事故を風化させず安全体制を作り上げる」と安全への誓いを新たにした。
慰霊行事には赤坂社長のほか、清水新一郎副社長と安全推進本部の堤正行本部長、総務本部の植田英嗣本部長、人財本部の小枝直仁本部長、運航本部の立花宗和本部長が参列。花と線香を手向け、冥福を祈った。
事故は40年前の1982年2月9日に起きた。福岡発羽田行きJL350便は同日午前8時44分ごろ、羽田空港C滑走路(当時RWY33R)に侵入中に滑走路手前の沖合の海面に墜落。着陸進入中に機長が精神的変調により、エンジンの逆噴射装置を作動させたことによるもので、乗客166人、乗員8人のうち、乗客24人が犠牲となった。重傷者は95人で、うち乗客は87人、乗員は8人。軽傷者は54人で、すべて乗客だった。
慰霊碑は5回忌にあたる4年後の1986年2月9日に建立。当初は蒲田寄りの内陸にあったが、多摩川の護岸工事により2019年に現在の船着場付付近へ移転した。
*業界全体で心の問題抱えるパイロットのケア目指す取り組み。記事はこちら。