ボーイングは現地時間2月7日、EPICフューエルスと200万ガロン(750万リットル)の混合SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の供給契約を締結したと発表した。航空機の運航事業者によるSAF調達としては最大規模で、航空会社への納入機のデリバリーフライトなどに使い、航空機の脱炭素化を加速させる。
SAFは現在、商業フライトで従来のジェット燃料と50対50の割合で混合することが認められている。今回の契約では、非食用農業廃棄物を原料とするSAFを30%と既存のジェット燃料70%を混合して使用する。ワシントン州エバレット、レントン、シアトル、サウスカロライナ州ノースチャールストンの施設で、飛行試験やフェリーフライト、顧客向けのデリバリーフライトにSAFの使用を計画している。これまでもボーイング機のデリバリーフライトではSAFが使用された事例があるが、今回の契約で対象フライトを拡大していく見通し。
試験機や完成機のほか、ジャンボ機747を改修した大型の専用貨物機で、787の主要部位を日本などから米国の最終組立工場へ運ぶ747-400LCF「ドリームリフター(Dreamlifter)」の運航にも使用予定。また、さまざまな新技術を機体に搭載し、飛行しながら実験する「ボーイング・エコデモンストレーター・プログラム」にもSAFを50対50%から100%まで調整して使用する。
航空機が排出するCO2(二酸化炭素)削減は業界全体の課題となっており、SAFは機体やエンジン、給油インフラに変更を加えることなく、従来のジェット燃料と混合して使用できることから普及が期待されているものの、低コスト化が課題。ボーイングは2021年1月に、2030年までに100% SAFで飛行可能な認定を受けた民間航空機を納入することを発表している。
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