2021年9月で初受領から10周年を迎えた全日本空輸(ANA/NH)のボーイング787型機。世界初の787による商業運航は、2011年10月26日の成田発香港行きチャーターNH7871便で、定期便は同年11月1日の羽田発岡山行きNH651便が初便となった。
787の特徴の一つが、大型機並みの航続距離を中型機で実現したことだ。ANAが真価を発揮させたい路線の一つが、10年前の2012年1月21日に就航した787初の長距離国際線となる深夜便の羽田-フランクフルト線だった。
ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)との日欧間ジョイントベンチャー(共同事業)対象路線で、当時の運航スケジュールはフランクフルト行きNH203便が羽田を午前1時に出発し、午前5時25分着。羽田行きNH204便は午前11時15分にフランクフルトを出発して、翌日午前6時45分に到着した。羽田では日本各地から国内線を利用した乗り継ぎができ、現地到着後は欧州各方面へ乗り継げるようにしていた。
787初の国際線定期便はフランクフルト行きNH203便ではなく、1週間前の1月14日の羽田発北京行きNH1255便だった。チャーター、国内線、短距離国際線とステップを踏み、長距離国際線への投入に至った。
当時の客室仕様は、国際線のビジネスクラスを国内線のプレミアムクラスとして運用する暫定国内線仕様の2クラス264席(プレミアム12席、普通席252席)、短距離国際線仕様の2クラス222席(ビジネスクラス42席、エコノミークラス180席)、長距離国際線仕様の2クラス158席(ビジネス46席、エコノミー112席)だった。
長距離国際線仕様のビジネスクラスは、フルフラットシートを採用し全席が通路に面した「ANA BUSINESS STAGGERED(ANA ビジネス スタッガード)」を採用。短距離国際線はゆりかごをイメージした「ANA BUSINESS CRADLE(ANA ビジネス クレードル)」を搭載した。
今回は10年前の2011年1月20日夜に羽田空港108番搭乗口前で開かれた羽田-フランクフルト線就航セレモニーと、日付が変わって21日午前1時に出発したフランクフルト行きNH203便(787-8、登録記号JA805A)を見送る様子をまとめた。
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