新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で国際線の大量運休が続く中、国内線は徐々に旅客需要が戻りつつある。日本航空(JAL/JL、9201)では、年末年始の国内線の予約数がコロナ前の2019年同期と比べて8割まで回復しており、コロナによる減便発生後も受領を続けたエアバスA350-900型機が羽田と札幌(新千歳)、伊丹、福岡、那覇を結ぶ国内線幹線を中心に投入されていることから、提供座席数は9割強まで戻した。
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
2年前の2019年9月1日に就航したJALのA350。大型機といえば米ボーイングの機体と相場が決まっていた日本の航空業界にとって、欧州のエアバスが開発した最新鋭機をJALが大量発注したことは衝撃だった。
今年6月には、A350-900の初号機(登録記号JA01XJ)が初のCチェックを迎えた。Cチェックは自動車の車検に例えられる機体の整備作業で、おおむね1年半から2年ごとに実施され、JALのA350は2019年12月10日に引き渡された5号機(JA05XJ)まで完了した。
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの主脚扉周辺。扉裏は整備士が作業しやすいようステップになっている=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JALエンジニアリング技術部システム技術室エアバスグループの平松昌人さん=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
初回のCチェックは、以前の機体のようにさまざまな部位を分解することなく進み、JALのA350では足場を組むこともなく、高所作業車など使って作業が行われていた。A350の整備に携わるJALエンジニアリング(JALEC)の技術部システム技術室エアバスグループの平松昌人さんは、「主脚の扉にステップがあったり、主翼の付け根の部分のスペースを有効活用したりと、整備性を考えた構造になっています」と話す。
これまではボーイング機が大半を占めたJALだが、エアバス機は従来の機体とは違った整備士目線の工夫が凝らされているという。
JALのA350-900は発注済みの18機がすべて国内線用機材で、12月時点で14号機(JA14XJ)まで受領。年度内に15号機まで日本に到着する見込み。国内線仕様のボーイング777-200型機(3クラス375席:ファースト14席、クラスJ 82席、普通席279席)を置き換えている。
座席数は3クラス369席で、ファーストクラスが12席、クラスJが94席、普通席が263席が標準のX11仕様、14号機は普通席が多い3クラス391席(ファーストクラス12席、クラスJ 56席、普通席323席)のX12仕様で引き渡された。年末年始は初号機と3号機(JA03XJ)もX12仕様で運航している。
本写真特集では、5号機のCチェックの様子をまとめた。前編は胴体や主脚、主翼、エンジンなど機体の作業、後編は客室を中心に取り上げる。
*後編はこちら。
*写真は38枚。
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJ(手前)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの前脚=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJのアンチコリジョンランプ周辺=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの主脚格納部分=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの主脚扉=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの右側がステップになっている主脚扉=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの主脚扉=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの主脚=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの主脚=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの主脚=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJのエンジン=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJのエンジン=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJのエンジン=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJのエンジン=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJのエンジン=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJのエンジン周辺=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの貨物室ドア=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの貨物室=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの貨物室=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの貨物室=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの貨物室ドア=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJから外されたエンジンカウルなど=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの主翼周辺=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJの主翼=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJのエンジン=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJのエンジン=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJのAPUカバー=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJのAPUカバー=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
Cチェック中のJAL A350-900 JA05XJ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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