エアライン, 機体, 空港 — 2021年12月29日 15:03 JST

HAC、最後のサーブ退役機が丘珠出発 鹿児島で売却整備

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 北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)が23年前の就航当初から運航してきたサーブ340B型機(1クラス36席)のうち、最後まで残った2号機(登録記号JA02HC)が12月29日、拠点の丘珠空港を出発し、函館経由で売却整備を行う鹿児島空港に到着した。2号機の退役により、国内で航空会社が運航する同型機は姿を消した。

丘珠空港に到着するHACのサーブ340B定期便最終となった函館発JL2740便=21年12月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 2号機は26日の函館発丘珠行きJL2740便で定期便の運航を終了。当初は丘珠-函館線と釧路線合わせて2往復4便の運航を予定していたが、降雪の影響で丘珠発函館行きJL2741便と折り返しの同便のみの運航となり、正午すぎから丘珠空港内の格納庫で社員有志による清掃作業が行われた。

 鹿児島へのフライトは翌27日を予定していたが、大雪が降り続いたため延期。このフライトを活用し、三沢空港と中部空港(セントレア)を経由しながら日本列島を約8時間かけて南下するチャーターを予定していたが中止となった。

 29日は乗客を乗せないフェリーフライト(回航便)として、丘珠を午前9時39分に出発。同43分に離陸し、経由地の函館には午前10時20分に到着した。給油後は午前10時57分に出発し、鹿児島には午後2時43分に到着した。

 操縦は黒田覚機長と原沢純副操縦士が担当。26日に定期便の運航を終えた時点の総サイクル数は6万2543サイクル、総飛行時間3万9177時間42分となった。

アーク塗装(JA03HC)と旧HAC塗装(JA01HC)と並ぶ鶴丸塗装のJA02HC=16年4月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 HACは、旧日本エアシステム(JAS、現JAL)と北海道による第3セクターとして1997年9月30日に設立され、最初の路線の札幌(新千歳)-函館線が1998年3月28日に就航した。JASが日本航空(JAL/JL、9201)と統合後はJALの子会社になったが、経営破綻後の2011年3月にJALが経営から一時撤退。再建後の2014年10月に再子会社化し、2016年10月30日からはJAL便名で運航している。

 2号機は1998年5月7日に引き渡され、JALの鶴丸塗装を描いた現行塗装の初便は2016年4月28日の丘珠発函館行き233便だった。全3機のサーブ340Bの中では最初に鶴丸塗装に塗り替えられた。

 3号機(JA03HC)は2020年12月29日、初号機(JA01HC)は今年9月6日にラストフライトを終えて退役済み。後継のATR製ATR42-600型機(同48席)も11月に全3機がそろい、機材更新を終えている。2号機は鹿児島へ到着後、同じくJALグループでHACがサーブの整備を委託している日本エアコミューター(JAC/JC)が売却整備作業を行う。

 HACのサーブをすべて購入した米C&L Aviation Group(C&Lアビエーション・グループ)傘下のC&L Aerospace(C&Lエアロスペース)は、最初に退役した3号機を貨物機に改修している。

丘珠空港の格納庫で最後の定期便運航を終えたサーブ340Bの2号機=21年12月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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